授業情報

第29期 全日程終了

日付:2017年8月10日

入門課程58名 専門課程49名
晴れて4月21日の閉講式へ!!


 東京国際仏教塾・第二十九期は三月の専門課程授業をもって終了しました。

 入塾された六十五名のうち五十八名が入門課程を修業しました。

 また、後期の専門課程には、過年度生七名を含む五十一名が進み、うち四十九名が出席日数・実技考査・レポート審査をクリアして修了に至りました。

 宗派別の修了者は曹洞宗十五名、臨済宗八名、浄土真宗八名、天台宗四名、真言宗五名、日蓮宗二名、浄土宗七名です。

 以下、最終授業の様子を修了順にご紹介します。

曹洞宗

 曹洞宗コースは三月四日と五日、梅の香る千葉県佐倉市の勝胤寺にて最終講義が行われました。

 曹洞宗コースの修了要件は「曹洞宗の宗史と宗義について」のレポートの他、「般若心経」の読経実技です。

 初日は朝課のあと、考査に向けて読経の指導がありました。今までの講義内容をふりかえりつつ、中野先生は「生活仏教である曹洞宗では、在家でも詠み易いようになっている。よって声明に抑揚をつけたり、息継ぎのタイミングを皆で合わせたりはしない。ただし、声を平らに誦むように。坐禅と同じく腰を伸ばし、お腹からしっかりと声を出すように。途中で力が抜けたりすると脳にも良くない。」と教示されました。午前の講義の最後には今まで教わった読経の注意点を踏まえ、『十句観音経』、『舎利礼文』を読誦しました。

 午後からの読経考査では十五人が独りずつ中野先生と皆の前で「般若心経」を読経しました。慣れない木魚や鉦の扱いに皆緊張し、苦労していましたが、練習の成果もあって全員「優」の評価となりました。

 初日講義終了後には場所を成田駅前の蕎麦屋に移動して謝恩会を開催。読経考査とレポート提出の宿題から解放された塾生は、リラックスムードの中、楽しくお酒がすすんだ様子でした。

 翌日は朝課の後、中野先生より今後の修行の進路案についてお話し頂きました。出家得度し、数年の安居のあと宗教師資格を得る進路。または在家得度し戒名を頂き仏弟子になる。更には在家入道生活を送るなど様々な進路案をお話し下さり、各人の今後の参考に大いになったようでした。午後は坐禅をいつもより長い二炷と経行を行いました。塾生は程度の差こそあれ、それぞれの禅定を楽しみながら坐ることができた様子でした。

 最後に十一月からお世話になった本堂を感謝の気持ちを込めながら掃除し整えました。塾生達は、修行を満行できた喜びに包まれながら、再会を誓い下山しました。

臨済宗

 専門課程臨済宗コースは、五日の読経試験を以って終了しました。

 一回目の修行は白隠禅師縁の寺、正受庵での禅堂生活体験から始まりましたが、二回目以降は千曲市の開眼寺で行われました。

 朝四時半に開静し、五時には、禅堂(槐安窟)で坐禅。真冬には氷点下になるそうで、境内には雪が積り、軒下には氷柱が垂れる禅堂で約三十分の坐禅が二回行われ、その後、朝課が始まります。その後粥座と作務を行うといった禅寺の生活を体験。食事も修行の一環として作法に則り行われました。

 読経の練習は日常の修行の合間に行われ、読経の指導は、松村文円師を始め、柴田文啓住職のお弟子さんを中心に行われました。

 夜は、近所の天然温泉に行き、その後、住職を囲んで酒を酌みかわし修行の話などを伺ったとのこと。「第二の人生を僧侶で社会貢献を」を勧めていらっしゃる柴田住職からは開眼寺で取り組んでいることを教えていただき、受講生は僧侶とはどのような仕事であるのか知ることができ、また、この談話会が、今後の自分達の進むべき、修行との向き合い方を決める情報源になったようです。

 最終回初日は翌日の考査に向けて作法並びに読経の指導が行われていました。

 考査では「般若心経」「消災呪」「本尊略回向」「白隠禅師坐禅和讃」「四弘誓願」の暗記が求められ、本堂に入り、読経するまでの所作も覚えなくてはなりません。木魚、磬子、鈴とお経を合わせるのは、中々難しいようで、叉手と合掌の切り替えがスムーズにいかず戸惑いを見せておられる方もいました。

 またこの日は時間を取ってNHK「心の時代」を視聴。病院にてチャプレンをつとめる方の話でしたが、病床にいて孤独に直面する患者に対してどのように対応したらよいのか考えたり、意見を述べ合ったりしました。

 二日目には修了考査がおこなわれ、前日に松村師のアドバイスを受けて復習した甲斐もあって受講生全員が合格となりました。三名ほどは得度の希望を示すなど、更なる精進に意欲を見せておりました。

浄土真宗

 浄土真宗コースは、三月十一日(土)~十二日(日)に最終回を迎えました。

 初日は講師の浅野師より、声明を練習していく上でのポイントを踏まえ、特訓があり、大熊学監からは最終講義として「浄土に往き、また還る」、「縁」の法話をいただきました。お夕事後の茶話会には多くの先輩方も駆けつけて、先輩方の経験談を伺ったり、受講生の疑問点などの相談にものっていただいたりしました。

 翌日は、お朝事後すぐに、経典・荘厳の用語や七高僧に関する筆記試験があり、その後、浅野師から今後学んでいく上で参考になる文献の紹介がありました。

 そして午後には、いよいよ各人が大熊学監を前にして『阿弥陀経』、『正信偈』、『念仏和讃』を読誦する声明の考査が行われました。「阿弥陀くじ」で決めた順番で臨み、受講生は緊張してなかなか思うようには声が出なかったようですが、精一杯頑張ったせいもあって、全員合格となりました。考査終了後、大熊学監から講評があり、「声明は呼吸が大切でゆっくり声を出しておこなうことが今後の上達の秘訣である」とのアドバイスをいただきました。

 また、今回レポート課題であった「浄土真宗の要義とその特性について」と「平安浄土から親鸞聖人に至る念仏の流れについて」の説明があり、「全員、しっかりと課題を捉えて書けている」という講評をいただきました。

 そして大熊学監を導師に最後のお夕事をおこない、終了後、全員で感謝の気持ちを込めて大掃除をおこない散会となりました。

 受講者のほとんどが得度コースを希望し、今後、より研鑽していくことを誓い合いました。

天台宗

 天台宗コースでは三月十一日から十二日、京都大原の清浄院大原道場にて最終講義が行われました。

 本コースではこの五ヶ月間、講義および実践修行両面から授業が行われ、講義では伝教大師・最澄の生涯、「願文」、天台の教義ならびに密教などを学びました。また、実践修行では、朝晩の勤行から入堂作法、食事作法などの作法指導が行われました。

 卒業生で僧侶等を目指す研修生も一緒に参加する本コースは修行道場に準じた形で行われ、朝の勤行ではミスが生じた時に、やり直しが命ぜられ、食事作法の際に受講生の不手際には先輩方も連帯責任となるなど、緊張感のあるものであったようです。

 また、法具の配置、向き、香灯の中の炭の位置まで細かな指導があり、あくまで基本作法を重視する姿勢で指導が行われました。

 最終回初日は午後一時より開講となりました。『般若心経』などの法楽をささげた後に松浦長明師より天台の浄土教についての講義があり、良源、源信から良忍、法然に至る浄土思想の系譜を概観しました。

 三時半からは筆記試験。仏教用語や諸尊の読み書きなどの試験が行われました。夕方からは久保明光師、先輩方を交えての茶話会。その後、薬石、入浴と続きます。

 夜には二十八期卒業の武井祐一さんの在家授戒式が開筵されました。武井さんは卒業後も久保師が中心となって行う勉強会「千葉会」に参加して研鑽を積んでこられ、このたびの式となりました。武井さんはこれからも引き続き学んでいく意欲を見せておりました。

 二日目は小食(朝食)の後、午前中に仏前作法のテストが実施され、修了式となりました。その後受講生全員で比叡山延暦寺に参拝しました。根本中堂では不滅の法灯を見学したり、伝教大師・最澄の悲願であった戒壇院を参拝したりするなど、祖師の偉業に想いを馳せました。京都市内に戻って会食の後、解散となりました。

 受講生は全員が全回出席とはいかなかったようですが、レポート提出、考査などを経て修了認定の要件は満たすことが出来ました。

真言宗

 真言宗コースは十一~十二日に最終回を迎えました。

 本コースでは五ヶ月の間、念珠の扱い方、仏前作法、お経の読み方等の実技をはじめ、教義や歴史など真言宗に関わる多くの事を学びました。

 専門課程の間、主となる講義以外にも、先輩方が講義にいらして下さり、ご自身の僧侶になられた経緯や経験、高野山で最も厳しいと言われる道場「真別所」での厳しい修行のお話し、弘法大師も修法された虚空蔵求聞持法を成満されたお話など、貴重なお話を多数拝聴することもできました。また、地蔵院の本住職を導師として護摩の修法を見学する機会もありました。

 期末考査は漢字の読み書きの筆記テスト、このほか『般若心経』、真言宗の常用経典である『理趣経』のエッセンスを一〇〇字にまとめた百字の偈、不動明王の真言・慈救呪、愛染明王呪、光明真言、弘法大師著書の一部の暗唱と、実技では仏前作法と、声明の「四智梵語」の独唱が求められます。

 受講生の皆さんは仏前作法に苦戦したようで、家で練習している時にはうまくできても、実際に本堂の仏様の前に座ると緊張感が押し寄せて、途中過程を飛ばしてしまうなど、なかなかうまく出来なかったようです。また、「四智梵語」も独特のリズムと音程があるため、皆とても苦労したようです。

 受講生の中には高速バスを利用する方々もおられたため、期間中、雪の影響で参加出来るか懸念される時期もありましたが、皆出席日数を充たし、テストも合格判定を得て、無事に専門課程を終えることが出来ました。

日蓮宗

 日蓮宗コースも同じく、十一~十二日に最終回を迎えました。

 同コースは宿泊体制で行われました。初日は朝六時の梵鐘撞きから一日の修行が始まるため、毎回前日に集合。寺の日常生活を体験する中に『日蓮宗読本』を基にした講義、作法実習を織り込む形で授業が展開されました。   

 午前中の講義では『日蓮宗読本』を使用して、法華経の特色、日蓮上人の思想、またその教団の発展について学習しました。受講生にとって初見のテキストは難解であったようですが、野坂法行師のユーモアあるご説明や諸先輩方が用意して下さった資料により、勉強を進めることができたそうです。

 講義の中で野坂師は『法華経』の精神とは、自分の得意分野で対社会的に行動していくこととお話しされました。宮沢賢治の言う「世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」というのが『法華経』の精神であり、現代の菩薩道だということです。

 また、午後は法儀実習および声明の練習です。座り方から始まり、礼の仕方、おりんや木鉦を鳴らしながら法華経を読む練習を行いました。声明は受講生二人とも今まで唱えたことがなく、音程をとらえるのに苦労したとのこと。

 夕方は静坐と唱題行。一心に「南無法蓮華経」と題目をひたすら唱えることを通じ「不思議にも生かされている自分に気づくということ」を野坂師から教えていただきました。

 また、講義以外では塾卒業生が結成した「法友の会」の勉強会に出席し、『法華経』の内容について学びました。

 十一日は折しも東日本大震災の七回忌に当たり、境内に立って皆で黙とうをささげたほか、唱題行脚を行いました。

 最終日の午後は本堂で考査が行われました。考査内容は進退作法ならびに「日蓮宗信行要典」誦読です。野坂師を前に、諸先輩方が見守るなか、木鉦や金を用いながら道場偈、勧請、奉送から方便品第二、如来寿量品第一六などの読経を行うもので、考査終了後野坂住職から、一人ひとりに指摘やアドバイスがあり、「日々の暮らしの中で、お題目を唱える心持ちですべてに対応していくためには、家に帰っても毎朝お題目を唱えていただきたい」とのお言葉をいただきました。

浄土宗

 浄土宗コースは、三月二十五~二十六日、最終回を迎えました。

 本コースでは東京都練馬区にある光明園において講義並びに法式実習が行われました。午前中の講義では、大南園主より大乗仏教やインドの浄土教、浄土宗の近代における革新運動について、炭屋師からは浄土宗の教えや光明主義について、また、吉水師からは中国の浄土教や「選択集」についての講義がありました。

 午後は法式実習、担当は鍵和田師で、「浄土宗信徒日常勤行式」を中心にお経を唱えました。お経を「節あり」で唱えたり、「礼」を付けてお経を唱えたりする実習を行いました。複数の動作を同時進行で行うことは大変で、中でも塾生が苦戦したのは木魚。「間打ち」と行う浄土宗の木魚の打ち方に慣れるまでには多くの時間を要したとのことです。しかし練習を重ねるにつれ、受講者全員が声と動作を一斉に合わせて行うまでに上達しました。

 最終回初日には明日の法要に向けての指導がなされたのち、「一枚起請文」などのお経の暗記テストが行われました。各人が一人一人、鍵和田師を前に実演します。全員と思いきや、既に五人は先月までに済ませていたとのことで、残り二人が暗唱を行って合格となりました。夜には近くの中華料理店に移動して、大南園主、吉水師、鍵和田師を囲んで懇親会が開かれました。

 最終日午前中は大南園主より講義。「浄土宗の近代における革新運動」では、「光明主義」を提唱した山崎弁栄の宗教思想について学びました。そして光明主義の具現にあたっては、念仏三昧がすすめられるとのことでした。

 また、「共生主義」を提唱した椎尾弁匡についての講義では、「共生」とは仏教の根本義である「縁起」を言い換えた言葉であること、日常の生活での実践を通して、現世における真実生命を顕現し、同胞人類愛、同時協調の人生をめざすことが「共生」の意味である旨学びました。

 午後は三時より受講生全員が参加して法楽をささげ、閉講となりました。大南園主は「これで終わりなのではなくスタートなのです」と更なる精進を勧めておりました。卒業される方の中には数名ほど得度を希望される方もおり、先輩方から指導を受けて研鑽を積まれるとのことです。

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