授業情報

仏教塾第30期スタート

日付:2017年10月10日

道を求めて51名が入塾
生かされている自分を識る第1回修行

 東京国際仏教塾は第三十期に入り、五十一名の塾生を迎えて入門課程が始まりました。

 内訳としては男性三十二名、女性十九名。年齢別では六十代が最も多くて二十名。それに五十代が続きます。四十代以下は約四分の一。最年少は三十歳、最高年齢は七十四歳で、例年に比べ平均年齢は若干上昇しました。出身地は例年通り首都圏が多いものの、青森、福岡、鹿児島島嶼部など遠方からの参加者もおられます。

会場が熱気に包まれた閉・開講式

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修業・修了証の授与

 第三十期の開講式は四月二十一日東京・本郷の東京大学仏教青年会館で二十九期閉講式と併せて行われ、新旧塾生約八十名の方が参加しました。

 式は大熊信嗣学監の先導のもと「三帰依文」と「四弘誓願」の斉唱から始まりました。続いて二十九期生への修了証の授与、新塾生の紹介、塾関係者のご挨拶がありました。最後に入塾者代表が精進の誓いを述べて終了しました。

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入塾の誓いを述べる塾生代表

 

 大洞龍明塾長は、宗派に関わらず宗教の真理にふれることの大切さを述べられ、「刹那の人生を永遠の眼で見つめる」、「こだわりをすててありのままの自分に出会う」、「人生の真実を明らかにする」といった塾のスローガンを参加者全員とともに唱和しました。吉田實・塾の会会長は「修了される方はこれからの人生に生かし、これから学ぶ方は初心を忘れずに修行に励んでいただきたい」と挨拶されました。

 

 式典に続き、開講記念講演として奈良康明駒澤大学名誉教授から「同事~慈悲の理念と実践」という演題でお話いただきました。奈良先生は慈悲の実践として相手に同じる姿勢で臨むことの大切さをお話されました。

実践を通じ仏教を学ぶ第一回修行

 第一回修行は千葉県大多喜町の日蓮宗妙厳寺・南無道場にて行われ、受講生は二泊三日の修行に臨むことになりました。A組は四月二十二日、B組は五月三日に始まり、それぞれ十七名、三十二名の受講生が参加しました。

 指導くださるのは妙厳寺住職・野坂法行師。また日蓮宗専門コースを修了された卒業生の方が研修指導や食事作りなどの手伝いに来てくれました。

 初日の正午前には受講生が妙厳寺に集合して、午後一時より本堂にて開講式。勤行ののち、大熊学監からは「第一回修行は実践を通じ仏教の理を知ってもらうことが目的。それが自分になじんでいくよう精進していただきたい」と、また、野坂師からは、「仏教が知識のままではいざというときに役に立たない。この修行で仏教を生活そのものとして受け止め、我々が生かされているという気持ちを感じ取っていただくことを願っています。」と挨拶がありました。
 
◆大熊学監の講義◆

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「学ぶこころ」を話す大熊学監

 開講式が終わると早速大熊学監の講義です。学監の講義は三回行われますが、最初のテーマは「学ぶこころ」。当塾では何を学ぶのかについてお話がありました。仏教とは私たちが仏となる教えであること、衆生無辺請願度と説く「四弘誓願」には大乗仏教の特徴が現れている旨のお話があり、私たちが学んでいく仏教の方向性が示されました。また、茶器いっぱいのお茶にそそいでもこぼれてしまうというたとえをひいて、自分の心の器を空にして学ぶ姿勢が大切であると説かれました。

 二日目午前は「僧伽」について。仏教教団の起源や戒律について説明がありました。また、午後の授業では仏教が日本にどのように伝わったかを学び、また寺の役割についても考察しました。仏教教団の組織化など現在の日本仏教の在り方の基礎について概観しました。
 
◆野坂師講話◆

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ユーモアを交えつつ行軌作法について話す野坂師

 初日の夜および二日目の夕方は野坂師による講話です。 

 第一回は『仏法を識る者は世法を得る』と題し、日蓮宗の立場からお話しされました。

 野坂師は、宗教は根本という意味であり、人生において根本にあたる宗教がなかったら根無し草に過ぎないと述べられ、宇宙・自然界の調和の世界を象徴的に表した大曼荼羅本尊から導きだされる基本的な考えは「この世の全てのものはお互いに関わり合い、支えあって存在する。そして存在するすべての『人』『もの』はそれぞれに役割があってかけがえのない存在である」こととした上で、仏法を学び、知るとは、「宇宙の大法=仏の意志によってできているこの世界のあるべき様に気づかせてもらう」ことであり、それによって我々は身勝手な生き方から離れて、仏=自然の恵み・宇宙の摂理をわきまえた生き方ができ、住みよい社会や平和につながる旨のお話がありました。

 二日目の講話は「行軌作法」。つまり御宝前での作法。御宝前における立ち振る舞いとして大切なのは「尊重の精神」と「厳粛な態度」であるとし、それらを成り立たせる手立てや読誦の心構えと方法について実例も交えつつお話されました。
 
◆静坐・唱題行◆

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太鼓の音に合わせて題目を唱える

 夕方は本堂で「唱題行」を行います。浄心行、唱題行、深心行の三つから構成されており、浄心行においては数息観により調身、調息、調心を行い、雑念から離れることを目指します。唱題行では太鼓の音にあわせて一心に「南無妙法蓮華経」と題目を繰り返し唱え、最後の深心行で、再び心を静めていきます。

 野坂師は「俺が俺がという自己中心性から解放され、大いなるものに生かされている自分を感じ取るために、このような行法が必要なのです。」とお話しされました。
 
◆作務・食事作法など◆

 お寺の生活を体験していただくということで、午後の講義終了後と朝食の前には作務があります。外作務では敷地内の清掃、草取り、また風呂を沸かすためのまき割りを行い、朝の内作務では本堂内部・周辺、庫裏をつなぐ廊下などを掃除しました。

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皆で協力し、配膳を行う
 食事も修行の一環。配膳も受講生自身で行い、正座をして作法に従い食事をとることになりますが、当初は慣れず戸惑いの表情もちらほら見受けられました。最後に食器にお茶を注いで、一切れのたくあんでふき取り、飲み干すのは面食らってしまうかもしれません。食事を通じ、「命をいただき、それにより我々が生かされていることに気が付くための営み」であることを再認識させられました。

 またカリキュラム外のことですが、希望者には太鼓の指導もありました。日蓮宗の勤行には欠かせない太鼓を野坂法靖師や塾先輩の柳沢、関口師指導のもと、受講生は実際に鳴らしてみて、その難しさや面白さを感じていました。
 
◆自己紹介・フリーディスカッション◆

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受講生の質問に答える講師方

 二日目朝は参加者の自己紹介。寺院巡りや海外生活の中で日本文化の基調をなす仏教への関心が高まった、身内の不幸や病気を契機に心のよりどころを求めるなど動機は様々、既に学びつつも知識では埋まらないものは何かを求め受講を希望しておられるようでした。また、手伝いに来てくれた塾先輩からは「法友の会」を結成して、旅行や勉強会を通じ研鑽を積んでいる旨の紹介がありました。

 最終日のフリーディスカッションでは受講生から今回修行についての感想が寄せられる一方、彼らの様々な疑問に講師陣が答えておりました。日蓮宗の教義、家族の死をどう乗り越えていくかなどの質問がある一方、私たちの日常生活や現代社会と仏教のかかわりも話題に挙がりました。宗派仏教への批判や、布教についての提言もあるなどA、B両組とも盛り上がりを見せました。

 閉講式では、大熊学監は「今回の修行を反芻しては納得できる点があれば継続し、第二回修行で生かしてほしい。」と述べ、野坂師は「皆さんは大変なことを志されたとも言えます。理想の世界を示すのが仏法であり、受講された皆さんがそのような世界に導いてほしい。」と締めくくられました。

 A、B両組ともおおむね天候にめぐまれた三日間でした。自然豊かな環境の中で、作務や瞑想を行うことができ、私たちが「生かされている」ことを実感したのではないでしょうか。

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野坂住職、大熊学監を囲んでA組の皆さん方

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野坂住職、大熊学監を囲んでB組の皆さん方

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