授業情報

第30期専門課程スタート

日付:2018年4月10日

全コース開講の運び
43名の受講生が行・学両面から仏教を学ぶ

 三十期専門課程の授業が十一月第一週の浄土真宗、曹洞宗、真言宗コースを皮切りにスタートしました。今期の受講生は四十三名(うち過年度生四名)。

 本年度もご講師のご好意により全コース催行の運びとなりました。人数では真言宗コースが最大の十四名。浄土真宗コースが十名と続きます。

 また、各宗派とも多くの卒業生が専門課程の授業の補助のため参加してくださり、コースによっては先輩の数が上回るところもあり、親身の指導が受けられたようです。

 受講生の皆さんは来年三月までの五か月間、各宗派の教学、作法等の研鑽に励みます。

 

浄土真宗

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皆で「正信偈」の読誦
  浄土真宗コースは、十一月四日に始まりました。教場は、九月に浄土念仏修行でお世話になった千葉光明寺です。受講生は十名と昨年と同じですが、例年より女性比が高めで、三十代から七十代まで年齢層も幅広く、遠くは青森県からの参加者もおります。専門課程へ進むにあたって、多くの方は家の宗派にとらわれず、仏教や浄土真宗の教えを深めたいとの理由で選択されたようです。本コースは通学制で、塾学監の大熊信嗣師のほか、吉崎行臣師、二木伸浩師ならびに池田美沙子師といった塾卒業生も講義と実技の両面から指導されます。声明では声の音域の違いもあることから、男女別に班を分け、少人数を対象としたきめ細かい指導が行われました。

 初日は、朝十時から本堂でお朝事。続いて庫裏にてオリエンテーションが始まります。第一日目ということで塾生はこれから始まる専門課程に、少し緊張気味。声明説明資料、「真宗大谷派勤行集」、『阿弥陀経』、『礼拝聖典』、CDなどが配布され、本コースの指導方針や授業内容等についての説明が行われました。

 吉崎師からは「授業以外の自習程度によって各自の習得レベルが決まります。授業前後の復習と予習をしっかり行っておくこと」との教示がありました。

 十一時から吉崎師らによる『阿弥陀経』の第一回の習礼がスタート。昼食後は、親鸞聖人が心血を注いで著わされた『教行信証』の精髄を簡潔に詩の形式にまとめた「正信偈」を集中的に唱えました。「正信偈」は基本的には一定のリズムの繰り返しなのですが、ところどころ音程や調子の変わる部分があり、これが難しいようでした。熱のこもった先生方の指導に応じるかのように受講生も、とにかく大きな声を出し励んでおりました。

 翌五日もお朝事の後、グループごとに「正信偈」を中心に指導を受け、最後に全員で読誦しました。  

 午後は、大熊師より教学の講義。築地本願寺のご輪番下川弘義師と永野護氏のエピソードや山本仏骨先生、徳川家康、曽良のお話を交えながら、浄土真宗の最重要ポイントでもある「お浄土」についてのお話しがありました。「本願を信じ、念仏を申さば仏になる」という言葉に真宗の教えが単純明快に表現されているとのことです。

 来月以降は「念仏和讃」や「回向」そして所作等が加わります。和讃も独特の節回しがあり、習得するのに時間がかかりそうです。

 受講生にとっては諸経の読誦等、初めてのことに戸惑いを感じながらも、仲間意識も少しずつ醸成され、充実したスタートをきることができました。(記事協力 宮城好郎)

 

曹洞宗

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心を込めて般若心経を読誦
 曹洞宗コースは十一月四日から佐倉市の勝胤寺で開講されました。講師は中野東禅師。また、塾先輩の佐藤尋道師も参加され、作法や朝課の指導をしていただきました。今年の曹洞宗専門課程の受講生は九名。おおむね関東近郊からの参加です。

 初日は最初に『般若心経』を唱え、授業が始まりました。まず、中野師から三月に迎える修了考査のために、お経の読み方、木魚、鏧捌きが十分行えるよう練習を積むようにとのお話しがありました。続いて講義では、原始仏教から大乗仏教、禅の誕生、奈良時代から平安時代の仏教、さらに江戸幕府の仏教政策といった仏教史の概略について解説がありました。「玄奘三蔵法師の道のり」として、仏教地図を示され、西遊記に出てくる孫悟空の起源についての説明もあり、受講生は興味深く聞いておりました。

 最後に、本堂を薄暗くして坐禅。本堂には三回鈴が鳴り響き、その後静寂の時を迎えました。「坐禅は菩薩行」という教えのもと、呼吸の仕方や姿勢の指導がひとり一人に施され、受講生は調身・調息・調心を心掛けました。

 二日目は、朝課の後、読経や作法の実習が行われ、『般若心経』についての講義に続き、午後からは「修証義」の講義が始まりました。

 今回はまず、第一章総序を読誦。仏の「縁起」という真理の智慧とさとりは、慈悲となってすべての人々を包み込んでいるから、その証りを信じ確かめる修行を続けていくところによって仏の命が持続する、という教えを学びました。

 「修証義」は五章三十一節より成りますが、三十一節とは、三十一日分とのこと。道元禅師の『正法眼蔵』の要旨要約であり、読んでいく中で受講生は祖師との繋がりを改めて感じることができたようです。

 続く茶話会では、「空」と「無」、唯識学との比較などが話題に挙がりました。「死ぬ瞬間は大丈夫だが、その前が大変」と中野師の病床体験などを交えたお話に、受講生はいつの間にか緊張感も解けていったようです。また、生きている人の苦悩に寄り添うという臨床宗教活動の先駆けでもあり、深い「死生観」研究に裏打ちされた中野師のお話には学ぶところ大のようでした。

 その後坐禅に取り組み、最後には本堂を全員で清掃し解散。

 来月以降は、「修証義」、「曹洞宗宗義」、「典座教訓」などの講義が行われる一方、声明、作法などの内容が高度化していきます。(記事協力 青木孝一)

 

真言宗

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一言一句漏らさじと耳を傾ける
 真言宗コースも十一月四日~五日にかけて、茨城県鹿嶋市の鹿嶋山地蔵院で開講されました。講師は塾卒業生でもある柏木宣遊師と柴岡宏明師。 受講生は過年度生四名を含む十四名で、年齢層も幅広く、遠くは福岡県から参加される方もおります。

 初日は最初に先生方から開講にあたっての挨拶。続いてオリエンテーションでは修行にあたっての心構え、修了考査に向けての暗記事項、レポート課題等についての説明があり、「仏前勤行次第」、「真言宗常用経典」、「檀信徒必携」、真言宗勤行のCD、その他多くの学ぶべき資料が配布されました。 

 午後には、受講生が自己紹介を行った後、塾先輩である田中慈祥師による講義。真言宗の特徴、密教における四重禁戒などの解説があり、専門課程で学ぶ事の説明や、ご自身の体験談を伺う事ができました。

 その後、柏木師による真言宗の概略と諸作法についての授業と続き、輪袈裟や念珠の扱い方、歩行や礼拝の行い方等、作法の指導がありましたが、初心の方にはなかなか難しく、各自が休憩時間を惜しんで熱心に練習する姿が見受けられました。 

 二日目は朝勤行と作務の後、柴岡師、柏木師による講義となり、「仏前勤行次第」、「檀信徒必携」の内容や真言宗の基本用語の説明がありました。顕教と密教における"因果"の捉え方の違いや真言宗檀信徒としての常識、暗記すべき事柄についてのお話がありました。更に経典読誦や仏前作法の実習と続きましたが、足の運び、左右の順、手の当て方等、受講生にとって覚える事が多くあり、一つの動作を意識すれば他が疎かになって見たとおりには真似ることができず苦労したようです。

 諸作法の習得の他、お経等暗記する事も多く、受講生は日々の積み重ねが大切であると、改めて認識することになり、三月の修了考査に向け精進を重ねる決意を新たにしたようです。(記事協力 平野 勝)

 

天台宗

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食事も厳格な作法にのっとって行われた
 天台宗コースは、十一日から十二日にかけて開講されました。教場は千葉県大多喜町の東福寺。講師は清浄院住職・松浦長明師と長光寺住職・久保明光師です。受講生は五名。塾先輩も出家僧侶を含め六名という指導体制となり、きめ細かな指導となりました。

 初日は開講式の後、先輩方による作法の指導。続いて松浦師の天台宗の教義についての講義が行われました。松浦師は講義に先立ち、勝手気儘な振る舞いやカルチャー気分で臨むことを戒められて講義に入りましたが、まずは天台宗の教義について。本尊が「久遠実成の無作の本仏」であること、天台宗が「誰でも、どの道を行っても究極は成仏できる」という法華一乗思想を理念とし、この一乗思想を以て円、密、禅、戒の四宗が融合する教えであること、また教義の学びと実践を等しく行う教観二門である旨の説明がありました。

 次に久保師による伝教大師最澄上人の生涯についての講義があり、受講生は一途な求道心と衆生済度の思いを学びました。この他、特別講義として先輩による六波羅蜜について解説がありました。

 二日目は朝五時に覚心(起床)。そして止観、朝坐勤行、小食(朝食)の後、茶道の教授がありました。茶道は間や所作を身につけるのに適しているということで行われましたが、講師より所作や道具の一つ一つに意味と思想が込められている旨の話があり、受講生は詳細な解説をうけながらの本格的な喫茶は初めてのようで感心しきりでした。

 次に松浦師による密教の講義。天台密教は前述の一乗思想を本とし、釈迦如来と大日如来が本来一体であるとする二仏一体説を採用し、久遠実成の仏である釈迦牟尼の教えとその実践であると捉えるところに特徴があるとの説明がありました。

 続いて久保師による願文の講義です。伝教大師がニ十歳にして、仏道への強い決意を著された「願文」を全員で読誦し、その解説がありました。そして塾生は次回までに各自の願文を書いてくるようにとの宿題が出されました。また、十一月は天台宗の「霜月法要」ということで、これに因み全員で「大師和讃」を読誦しました。

 今回、第一回目ということで、受講生は教義の奥深さと学ぶことの多さに身がすくむ思いがしながらも、これから半年間懸命に精進に努める覚悟を新たにしました。(記事協力 原田典隆)

 

日蓮宗

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野坂住職の講義
 日蓮宗コースは十八日、大多喜町の南無道場・妙厳寺で開講しました。

 今年の塾生は一人ですが、前年の卒業生二名も授業に参加、受講される方全てが女性の方でした。今年度も日蓮宗僧侶として活動しておられる塾先輩が助講師として手伝ってくださいます。

 本コースでは寺の日常を体験しながら、教学や作法を学んでいく形をとっており、受講生は前日までに上山・宿泊し翌日からの修行に臨みます。

 初日は朝五時五十分に起床し、六時に朝の梵鐘撞きを体験。続いて外作務があり境内の清掃を行いました。七時からは本堂にて朝勤。それから境内の各守護神に参拝してお経を読誦。その後、体操、朝食と続きます。

 午前の講義は宗学・宗史について野坂法行住職と川西法宣師により行われ、日蓮教学は鎌倉仏教の一つに位置づけられ、宗学とは一般的な仏教学とは区別され、人間の信仰を主体にしているものであるとのお話がありました。それから「日蓮宗読本」を使用しての勉強が始まりました。第一編九章「鎌倉仏教」から始めて来年三月まで続けられます。野坂住職は 「行学絶えなば、仏法はあるべからず。」という言葉を引用し、「行」と「学」は車の両輪であり、どちらも大切であるとお話しされました。

 午後は関口法典師の指導の下で、道場偈の声明と所作を学びました。専門課程修了までに一人でお勤めが出来るようになるようになることが本講座の目標です。

 夕方には静座と唱題行。姿勢を正し、呼吸を調え、心を調えて、ひたすらお題目を唱えることを通じ、宇宙の大いなる妙法の力に生かされている自分自身を確認します。

 夕食の後は自主学習の時間ですが、卒業生による『法華経』勉強会が催されるとのことで、受講生も参加。今回は「法師品第十」がテーマであり、『法華経』の弘通とその功徳、法師の使命について学び、また、先輩方の貴重な体験も伺うことができて有意義な時間を過ごすことができたようです。

 二日目、午前の講義では初日に続いて宗学・宗史について学びます。野坂住職からは日蓮聖人の出家の動機と立教の説明がありました。日蓮聖人の立教宣言とは一宗一派ではなく、他宗を捨てず全ての宗教の教えを認めていく、『法華経』による諸宗統合の宣言であり、そのために大曼陀羅本尊には『法華経』に説かれるいのちの世界が明確に図示されているとの説明がありました。このほか常不軽菩薩の深い慈悲心や二乗作仏についてのお話しもありました。

 午後は、野坂法靖副住職と関口師から声明、所作などの指導を受け、一回目の授業は終了となりました。(記事協力 山田智子)

 

臨済宗

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名物"開眼寺うどん"に力を得て
 臨済宗コースも十一月十八日から長野県千曲市の開眼寺で開講しました。本コースの受講生は男女一名ずつの二名。今年度も、仏教塾二十三期卒業の松村文円師が受講生の送迎から、作法指導、読経指導まで手伝ってくださいます。

 初日は、まずオリエンテーションがあり、住職の柴田文啓師からご自身の体験を交え、「仏教に携わるものはもっと社会生活を経験した人が必要ではないか」とのお話しがありました。斎座(昼食)の後、坐禅堂にて坐禅。続いて『般若心経』の読誦練習、晩課が行われ、薬石(夕食)では食事作法の指導がありました。そして、ふたたび坐禅を行い、一日目は終了。

 二日目は、朝四時半に起床。五時から冷気浸み込む中、調心・調息・調心という三つの要を意識しつつ坐禅に臨みます。引き続いて朝のお勤め。終えて本堂から出て外を見ると、木々の上には雪が積もり、山々は紅葉に白く綿帽子の化粧をしていました。今年の初雪だそうです。

 その後の作務の時間では本堂、坐禅堂の清掃。柴田師は「作務は修行のすべてである」と常に言われているとのこと、受講生はこの言葉の意味を噛みしめつつ、無心で作務に励みました。

 その後は、各種経典の読誦練習を繰り返し行い、斎座をもって散会となりました。

 本年度は受講生が二人で、家族的な雰囲気の修行となりました。坐禅、読経、食事作法などについて、入門課程で修行体験したことが基本の動きとして随所に多く出てくるので、ある程度の予備知識もあり、安心して修行に打ち込むことができたようです。

 受講生は、次回は読経をスムーズに行えるように少しでも憶えていこうと更なる精進を決意して帰路につきました。(記事協力 西木達夫)

 

浄土宗

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懇切丁寧な指導が受けられた浄土宗コース
 浄土宗コースの第一回授業は十八日に東京都練馬区にある光明園でスタートしました。今年度の参加希望者は二名でしたが無事開講の運びとなりました。浄土宗コースは大南龍昇園主、吉水岳彦師、炭屋昌彦師による講義ならびに鍵和田充生師による法式指導という形で進められ、教義・実践の両面から浄土の教えを学んでいくこととなります。

 初日は開講式の後、大南園主による仏教史の講義。「出家の意義と動機」というテーマでお話があり、原始仏教教団における出家者の出身地、階層、年齢そして出家の動機の類別など詳細なデータをもとに説明がありました。

 続く法式実習では「日常勤行式」をもとに、鍵和田師が香偈、三宝礼、奉請などの経文を実演し、続いて受講生が唱える形で学んでいきました。

 受講生が二名ということもあって、懇切丁寧な指導をいただくことができ、逆に充実した授業となって良かったとの声もありました。三月には修了考査が行われますが、この五か月で日常勤行を一人で勤めることができることが目標です。以降、鏧、木魚などの犍稚物(鳴り物)、上・中・下品礼といった威儀作法なども加わり、それらも習得していくことになります。

 初回講義の後、講師の鍵和田師をはじめ昨年の塾卒業生との食事会が開かれ、先輩方の経験談を伺うことができた受講生はこれからの授業に期待感を抱いたようでした。(記事協力 安野伸吾)

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