仏教童話

仏教童話『バル王国の滅亡』

日付:2014年5月10日 関連記事:仏教文化168号

 むかし仙人せんにん五百人ごひゃくにんばかりの修行者しゅぎょうしゃれてヒマラヤをり、バル王国おうこくました。かれらはまちものい、まちはずれにある北門きたもんのニグローダじゅしたに、しばらくのあいだんでいました。もうひとつの修行者しゅぎょうしゃ一行いっこう五百人ごひゃくにんほどやってきて、かれらもまた、まちものい、南門みなみもんのニグローダじゅしたはじめました。

 このように、ふたつの仙人せんにん集団しゅうだんがそれぞれ北門きたもん南門みなみもんところにしばらくんでいて、やがて修行しゅぎょうのためにヒマラヤへかえっていきました。そのあとみなみもんのニグローダじゅれてしまいました。

 つぎ仙人せんにんたちがやまからりてまちものいにときは、今度こんどみなみもんところんでいた仙人せんにんさきにやってきました。かれらは南門みなみもんのニグローダじゅれたのをって、北門きたもんのニグローダじゅしたはじめたのでした。

 そのもうひとつの仙人せんにん一行いっこうやまりてきて、北門きたもんのニグローダじゅめぐってあらそいがはじまりました。以前いぜん北門きたもんんでいた仙人せんにんが「これは我々われわれだ」といました。するとすではじめた仙人せんにんが「今度こんど我々われわれさきてここへ陣取じんどったのだからこのニグローダじゅ自分じぶんたちのだ」と反論はんろんしました。

 そうすると、一方いっぽうけずに「元々もともと我々われわれ最初さいしょにここにんだのだ」といました。

 わせて千人せんにんのぼ仙人せんにんたちはたがいにゆずらず、どうすることもできないさわぎとなりました。そこで仙人せんにんたちは国王こくおうのもとにって、どちらのぶんただしいかめてもらおうと代表だいひょうめ、おうところき、裁可さいかもとめました。するとおうは「最初さいしょんだものが、ニグローダじゅぬしだ」といました。

 それでも南門みなみもんはじめた仙人せんにんたちはけをみとめず、転輪聖王てんりんじょうおう使つかったという馬車ばしゃ車体しゃたいつけて、それをおうおくものとして献上けんじょうしました。おうよろんで馬車ばしゃ車体しゃたいりました。そこで仙人せんにんたちはいました。

 「王様おうさま我々われわれもニグローダじゅぬしにしてください。あのニグローダじゅがないと、雨風あまかぜをしのぐことができないのです」

 よろんだおうは「それならば両方りょうほう仙人せんにんたちでむことにしたらよかろう」といました。うったえにけた仙人せんにんたちもんでよいということにしました。

 するともう一方いっぽう仙人達せんにんたち馬車ばしゃ車体しゃたいにつける宝輪ほうりんをこっそりおうおくり、「王様おうさまどうか私達わたしたちだけをニグローダじゅぬしにしてください。」とたのみました。おうはすばらしい宝輪ほうりんおおきくうなずきました。「よろしい、あなたがただけがニグローダじゅぬしだ」

 それぞれこっそりおうおくものをして、自分じぶんたちのぶんとおした仙人せんにんたちは、ふとかんがえました。

我々われわれはなんとあきれた人間にんげんだろう。財産ざいさんつまてて出家しゅっけしたなのに、ニグローダじゅしたみたい一心いっしんから、おううったえにったり、こっそりおくものをしたり、まったく出家者しゅっけしゃらしくないことをしてしまった。

 ふたつの仙人せんにんたちの一行いっこうは、それぞれ自分じぶん行為こういずかしくなり、両方りょうほうとも早々そうそうとヒマラヤにっていきました。

 天上界てんじょうかい神々かみがみはこれをおこりました。 仙人せんにんたちにみにくあらそいを<おrp>)こさせたおうのやりかたはけしからん」

 神々かみがみ国王こくおうたいするいかりを込め、バル王国おうこく海水かいすいをみなぎらせほろぼしてしまったのでした。
(ジャータカ二一三)

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