仏教童話

仏教童話『猟師と四人の子供たち』

日付:2014年11月10日 関連記事:仏教文化171号

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 むかしみやこからとおはなれたもり一人ひとり猟師りょうしんでいました。かれもりでとれた獲物えものくるまみ、そのにくみやこりさばいてくららしをてていました。

 あるのこと、かれ荷車にもつみやこのはずれのつじとおりかかったとき四人よにん長者ちょうじゃ子供こどもたちがそこであそんでいました。

 かれらの一人ひとりにくせた猟師りょうしくるまて、ほか三人さんにんいました。 「おい、なよ。猟師りょうしにくりにたぞ。あいつからせしめてやろうじゃないか。」
 「それはおもしろい。もらってこいよ」とけしかけられ、そのいさんで猟師りょうし近寄ちかよって「おい、おっさん、おいらににくをくれないか」といました。

 その乱暴らんぼうぐさ猟師りょうしはそのをにらみつけ、「ひとなにかをねだるんだったら、すこしは丁寧ていねい言葉ことば使つかったらどうだ。なんだ、その態度たいどは。どこの長者ちょうじゃ息子むすこだからないが、くちのききかたらないようじゃ、ろくな大人おとなになれんぞ。しけりゃこのにくでもってけ。おまえにはこれがふさわしい」とって、臓物ぞうもつえました。

 そのはしょんぼりして仲間なかまたちのところもどり、とてもべるにはなれないようなだらけの臓物えものしました。それを一人ひとたずねました。

 「なんとってねだったんだ」
 「おい、とったんだ」
 「よし、今度こんどおれがもらってこよう。ていろよ」

 その猟師りょうしちかづいて「にいさん、すまないけどにく一切ひときれください」といました。

 「きみわたしきみにいさんとんだね。あに人間にんげんからだたとえれば手足てあしたるとむかしからわれているんだ。さあ、っていきな」

 猟師りょうしはそうって獲物えもの手足てあししました。

 もどってきた仲間なかまて、「ようし、おれももらってこよう」と三番目さんばんめ子供こども猟師りょうしちかづいていき、「おちちさん、わたしにもにくをください」とおそおそいました。

 「子供こどもにおちちさんとびかけられれば、ちち心臓しんぞううれしくてふるえるものだよ。きみはその言葉ことばを、お世辞せじなんかじゃなくて本当ほんとうのおとうさんにっころからいなさい。きみには心臓こころにくをあげよう。おとうさんと一緒いっしょべなさい。」と猟師りょうしやさしくそうって、心臓しんぞうほかにおいしそうなにくをつけてわたしました。

 「なんとってねだったの」と最後さいごのこったたずねると、「おとうさんとびかけたら、お世辞せじではなくて本当ほんとうのおとうさんにそういなとってにくをくれたんだ。」

 「あの猟師りょうしはいいひとなんだね。だまそうとしたぼくたちはなんてばかだったんだろう。そうだ、友達ともだちになってもらおう」最後さいごはそううと、猟師りょうしところはしっていき、「おじさん、友達ともだちになってください。ぼくたちはわるいことをしようとしていました」といました。

 猟師りょうしは「わたしもりなからすようになってから、友達ともだちわれたことなんか一度いちどもなかった。きみ言葉ことばはとてもうれしいよ。わたしっているものを全部ぜんぶきみにあげよう」とってくるまつかげ、くるまいて、そのいえまではこんでいきました。

 その家族かぞく猟師手厚てあつくもてなし、かれ妻子さいしせて、一緒いっしょ友達ともだちとしてらすようにすすめました。そして、庭園ていえん猟師りょうし家族かぞくのためのいえててあげ、生涯しょうがいなか友達ともだちとしてよろこびやかなしみをともにしたそうです。

(ジャータカ三一五)

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