卒業生は今!!

卒業生は今!! 臨床宗教師研修を修了して

日付:2015年5月 8日

第16期 杉山 真沙子

 長岡西病院(新潟県長岡市)のビハーラ病棟にて、ボランティアをさせて頂いて十三年になります。ビハーラ病棟は田宮仁先生の提唱により平成四年に開設されました。ビハーラ僧が常駐し、地元のボランティア僧侶も加わり、朝晩の勤行や仏教行事などの季節の行事が企画され、病棟内にはミャンマーからお連れした釈迦菩薩像が、超宗派の象徴としてお祀りされています。

 平成十年、夫をがんで看取りました。その後に出かけた四国巡礼がきっかけとなり、仏教塾での学びを経て、平成十七年、真言宗で出家得度のご縁を頂きました。それまで住んでいた埼玉から、故郷の魚沼市へ転居し、居場所として見つけたのがビハーラでした。看病、ホスピス、仏教と様々なご縁も感じました。週一回お邪魔して環境整備や、利用者さんの日常のサポートなどの活動をさせて頂いております。

174-14.jpgのサムネール画像笑顔いっぱいで利用者さんをサポート
 三年前、利用者さんと布地蔵を作りました。東北の震災の後でもあったことから、たまたま、ビハーラ僧が、東北大学で開設された臨床宗教師養成のための実践宗教学寄付講座のスタッフとして行かれていたこともあり、東北の被災地にお地蔵さまをお届けすることとなりました。お地蔵さまのはたらきは、被災された方々にとっては慈悲の救いとなり、限られた時間を過ごされている利用者さんにとっては「いのちのよろこび」となりました。

 そんなお地蔵さまとのご縁もあり、僧侶とは名ばかりの私ではありますが、昨年秋の東北大学の臨床宗教師研修に参加させて頂き、三か月の研修プログラムを修了しました。東北では震災を契機に、宗教者の存在が求められるようになり、長年東北の地で在宅ケアに携わられ、臨床の場における宗教者の必要性を訴えられながら、震災の年に他界された、故岡部健先生の遺志を引き継ぐ形で開設されたのが、臨床宗教師研修講座です。生きている人の苦悩に寄り添うという仏教者(宗教者)の本来のあり方が今求められているのだと思います。

 青木新門さんの著書『納棺夫日記』の中のことばです。

 「末期患者には激励は酷で善意は悲しい。説法も言葉もいらない。」そして「きれいな青空のような瞳をした、透き通った風のような人が側にいてくれればいいのではないだろうか」

 利用者さんの後姿に教えられることばかりです。せめてお地蔵さまのお力をお借りしながら、これからも布地蔵を作り続け、慈悲の救いを求められる方々にお届けできたら、と思っています。


(注) 臨床宗教師研修は東北大学実践宗教学寄附講座・「心の相談室」主催で前年度までに六回開催されております。臨床宗教師は公的資格ではないものの、現在、医療機関や被災地などで求められつつある「宗教的なケア」の専門家を養成しようとするもの。臨床宗教師に求められる基本的な態度やケアのありかたについて学ぶ座学の他に、受け入れ施設での傾聴や被災地への「追悼巡礼」などの実習、研修を振り返るグループワークなどを三か月間行い、実践可能な「宗教的なケア」を学びます。(編集部)

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