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マインドフルネス講演会に参加して

日付:2015年7月10日

編集人 峯島

 四月下旬~五月上旬にかけて、プラムヴィレッジ僧侶団が来日、四月二十九日には文京シビックホールにて講演会が開催されました。プラムヴィレッジはベトナム僧ティク・ナット・ハン(釈一行)師(注1)が亡命先のフランスで設立した仏教徒のコミュニティ。ブラザー、シスターとよぶ僧尼、在家者が農業に従事しながら共同生活。現在ではマインドフルネス瞑想(注2)の指導を行い、世界各国から参加者が集まっており、日本人の尼僧さんもおります。

 ティク・ナット・ハン師自身は病気のため来日できませんでしたが、弟子三十三名が来日。マインドフルネスは一言で言うと「気づき」。その瞑想とはどのようなものか興味をもって若い方も多く参加されていました。

 まず愛知専門尼僧堂堂長・青山俊薫老師の歓迎のことばに始まり、仏教塾スクーリング講師でもある蓑輪顕量・東大大学院教授からは「プラムヴィレッジ来日の意義」と題し、お話しがありました。蓑輪先生はティク・ナット・ハン師の思想について分析され、禅僧として大乗仏教の流れを主として、マインドフルネス瞑想が生み出され、地理的に隣接する上座部仏教圏の影響を受けているのではないかと解説。

 後半はブラザー、シスター(僧尼)によるチャンティング(読経)。バイオリンやギターの奏でる美しい旋律にあわせて合唱する、観音菩薩をたたえる頌は圧巻でした。

 引き続いて代表者数名から日々の生活、体験に基づく法話がありました。まずファプ・アン(法印)師は「我々が未来に囚われ、遠くの幸せのために生き、ここに在る命に触れられていない奴隷のような状態にある」という現状を指摘し、呼吸に集中するという簡単な実践で自分自身を解放することが出来る旨、ティク・ナット・ハン師の「幸せの道はない、幸せはここにある」という言葉を引いて、「幸せは未来にあるのでなく、今この瞬間に手に取れるもの」とお話しされました。

 ユー・ニェム(妙厳)尼からは「怒り、失望と言った激しい感情が生じた時には、何も言わない、しないように(stop to react)」と、また、「いらだち、悲しみの海におぼれた時には島(=呼吸)に戻るようにしている」とお話しがあり、呼吸に戻る瞑想実践によって相手を思いやる気持ちが生じ、夫婦間の不仲を解消した実例も挙げておられました。ファプ・ダン(法燈)師からは幸せの条件として、「①生きていること、②愛と慈悲のあること、③自由であること」を挙げ、ストレスの解消のためには「何のために私たちが自由でないのかに気付く必要がある」と述べられ、そのためにはたえまなく走る思考を消すこと(stop thinking)を勧めておられました。

 最後にファプ・アン師が総括。「幸せの道は人それぞれ、心が自由になれば、いろいろなことに気付くことが出来ます。」とお話しされました。法話の間にも時折、参加者も実践する時間が与えられ、マインドフルネス瞑想をどのように実践していくか、その一端に触れることができました。

(注1) 一九二六年ベトナムに生まれ、十六歳で出家。ベトナム禅宗の法灯を継ぐ。一九六〇年代、ベトナム戦争下で孤児の支援など様々な社会活動に従事。アメリカへの平和使節団に参加したが、ベトナム政府により帰国が認められず、以降亡命生活を送ることに。一九六七年にはノーベル賞候補に挙げられた。一九八二年にプラムヴィレッジを設立。
(注2) マインドフルネス瞑想とは上座部仏教の瞑想に影響を受け、呼吸や動作に意識を集中し、心の安らぎを得ようとする瞑想の手法。集中力を高める効果が期待され欧米で研究が進み、医療現場や社員研修で取り入れようとする試みがなされています。

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