授業情報

天台一泊結集と浄土念仏修行

日付:2015年11月10日

177-11-1.jpg報儀実習で所作の美しさを学ぶ
 入門課程も修行体験やレポート提出の大半を終え、九月は天台宗の教えを学ぶ「一泊結集」と浄土宗を学ぶ「浄土念仏修行」が、それぞれ開講されました。

 これまでの日蓮宗、臨済宗、浄土真宗の修行とともに、日本仏教の体験を通じ、各宗派の特徴を感得することを目的としております。


天台一泊結集


 九月五日(土)~六日(日)、房総半島の中腹に位置する東福寺(千葉県大多喜町)において、二十二名の塾生が参加。指導は、天台宗専門コースの担当でもある清浄院松浦長明住職・東福寺 嶋根豪全住職・長光寺 久保明光住職ほか、昨年卒業したばかりの二十七期生を含む多くの先輩方が指導にあたられました。

177-11-2.jpg早朝の諸堂巡拝、真言の声も高らかに!
 初日午後一時、法楽「光明供」が厳かに修された後、松浦師の日本仏教の中心ともいえる「天台の心をしっかり学んで欲しい」とのご挨拶をいただき開講しました。

 引き続き、松浦師の「天台宗の教え」の講義では、宗祖伝教大師最澄上人の法華一乗の教えに基づき、比叡山が開創された歴史。中国に伝来した仏教聖典を体系づけ整理した天台智者大師智顗あるいは日本天台宗の特徴、『法華経』、『涅槃経』、『大日経』、『梵網菩薩戒経』等所依の経典、法華一乗の根本教義また教観二門など、ややもすると難解と思われる教義について、興味深く分かりやすく話されました。

 さらに久保師による法儀実習では、美しい合掌・姿勢のあり方、座法や『斎食儀』に基づく食前・食後の誦経・偈や規律ある食事作法、五体投地礼など法式作法の重要性を学びました。また、伊藤明玄講師により、日頃馴染み深い仏像について、仏像の種類は、如来・菩薩・明王・天の四種類に大きく分類され、その意味合いや特徴について説明がありました。

 夕座勤行では、『開経偈』、『如来寿量品偈』、「光明真言」など導師に続き、懸命に読誦。入山して初の非食(夕食)では、『斎食儀』に基づき、食前の誦経そして無言・無音。上位者から順番に食を摂るなどの厳しい作法に則り、黙々と「食」の修行に励み、食後には、程近い養老温泉で、束の間のひとときを過ごし、身心ともに疲れを癒しました。入浴後は『妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈』の写経。写経作法に則り、塗香して心身を清浄にし「女院御願文」を読誦した後、無心の境地で写経に打ち込む。静かに筆を走らせる余韻冷め遣らぬ間もなく、五グループに分かれ、講師・先輩方を交えての「法座」。各宗派の特徴、専門課程の選択、今後の仏道精進に対する想いなど、自由闊達な討論が行なわれ、「お寺は修行道場、カルチャーセンターではない」など、多くの助言を仰ぐうち、就寝時間が大幅にずれ込むほどでした。

177-11-3.jpg煩悩業苦を焼き尽くす護摩供
 二日目、四時三十分、大音声の合図で「覚心」(起床)。五時、先ずご本尊に『般若心経』を唱えた後、先輩の先達で東福寺周辺の諸堂巡拝に出発。「不動慈救咒」の真言を唱える声が、薄靄棚引く早朝の大多喜の街並みに響き渡りました。約五kmの行程を一列縦隊となり、清冽な空気を胸一杯に吸いつつ、早秋の稲田を眺め、薄暗いトンネルを抜け、鬱蒼とした樹々の中を、満足感溢れる笑顔で完歩。感動体験のひとときでした。

 巡拝後は朝座勤行。「三礼」、『観世音菩薩普門偈』、『摩訶般若波羅蜜多心経』『法華成仏偈』等を唱えた後小食(朝食)につきました。

 続いて、松浦師による「天台宗の密教について」の講義があり、「天台密教(台密)の歴史的展開」として、宗祖最澄上人に始まり、慈覚大師円仁、智証大師円珍の三師が入唐して伝承してきた胎金蘇三部の密教構成や、三部の密教は印度から唐にかけての歴史的展開の成果である、また台密と東密の特色、五大院安然による天台密教の完成、台密護摩などについて、幅広く興味深く話されました。

 引き続き嶋根住職により、煩悩業苦を焼き尽くす乳木燃え盛る爐を囲み、塾生を交え、力強い太鼓に合わせ『神力品』、『妙法蓮華経観世音普門品』等唱える中、精魂込めて書写した写経薫香、そして各自の願を記した護摩符のお焚き上げなど結願護摩供が荘重に執り行われました。興奮のうちに、次は「天台止観行」に臨みました。恭しく五体投地。そして数息観に則り、心穏やかに坐するも、時折励ましの禅杖の音が堂内に響き渡りました。そして中食(昼食)を頂き、報恩感謝の作務。

 すべての課程を修了し、「法楽」に続き閉講式となりました。洞口事務局長の御礼挨拶、松浦師のねぎらいと今後の精進を期待するとのご挨拶を頂いた後、全員が天台宗の深遠な教理を脳裡に刻み、無事二日間の修行を全うし下山となりました。 

177-12-1.jpgのサムネール画像無事結願! 松浦・嶋根・久保先生を囲んで

浄土念仏修行


177-12-2.jpg同唱十念! 南無阿弥陀仏
 九月十八日から三日間、千葉光明寺において浄土念仏修行が開催されました。

 本修行は第一・二回修行の補講という位置づけでありながらも、法華・禅以外の仏教も体験してみたいと意欲的な方も多く、連日二十名前後の方が参加されました。

 初日午前は本堂に集合して開講式、引き続き書院にてガイダンス。大熊学監から浄土宗ならびに浄土真宗の概略についてお話があり、十念の唱え方、木魚の打ち方などの指導の後、経本である『浄土日用勤行式』の一部を全員で読誦しました。 

177-12-3.jpgただひたすらに木魚をたたいて、無我の境地に!
 午後からは別時念仏と礼拝行といった実践修行に入ります。最初の別時念仏は木魚をたたきながら念仏を唱えるもの、その後行われた礼拝行は独特な節回しで「南無阿弥陀仏」と唱えながら五体投地を行うものです。ともに灯明の光を頼りに行い、仏名会さながらの雰囲気が醸し出されておりました。

 最後は大熊学監の講話です。「南無阿弥陀仏の意味となぜ称えるのか」と題し、南無阿弥陀仏とは智慧といのちを象徴する存在である阿弥陀仏に帰依すること、念仏によって我々の命が阿弥陀仏の世界にあることを識ることができる旨のお話がありました。

 翌日以降も別時念仏と礼拝行の実践や講義により、徹底して浄土念仏の教えを学びました。二日目の講話ではまず「本尊を明らかにする」と題し、仏教を学ぶ我々が何をよりどころにしたらよいのかについて、また、後半の「仏教の世界観」では聖道門と浄土門の違いについてお話されました。聖道門では縁起の世界に自己を没入することを目指すのに対して、浄土門では真如の世界からの働きかけに託すという性格の違いが浮き彫りにされておりました。三日目は「念仏・万人の救われる道」、「自力と他力」と題して、法然上人が『観無量寿経疏』に自らの道を見つけた経緯や、「他力とは何か」についての解説がありました。

177-13-1.jpg経本『浄土日用勤行式』を声を合わせ読誦
 この修行をもって入門過程は終了です。法華、禅に続く、これらの修行を経験することで、日本仏教を代表する各宗派の特徴をおおまかながら把握することが出来たのではないでしょうか。

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