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修了レポート 日蓮宗 「日蓮教団の伝道方法とその特長」

日付:2016年5月10日

第28期 原 克喜

 日蓮宗は、日蓮聖人が信解体得せられた法華経を、本宗における理・教・行・証の基本とし、これによって五網と三秘を構成し、もって宗義の体系とする(日蓮宗宗義大綱)。

 日蓮聖人の伝道に対する心得の一つとして五義、所謂「宗教の五網」があります。

 「教・機・時・国・教法流布の前後=師」五箇の教判であり、教と理とを明らかにする。更にそれは、宗教活動における自覚と弘教の方軌を示すものです。

 教は、一念三千を包む法華経寿量品の肝心、南無妙法連華経をいい、五重相対・四種三段等の教判によって詮顕されたものです。

 機は、教が与えられる対象で、末法の凡夫をいい、等しく下種の大益を享受する。

 時は、教と必然的に相応する末法今時の意味である。

 国は、教の流布する場所であり、日本を始めてとする全世界が国である。

 師は、教・機・時・国の意義と次第とを知り、これを自覚し、実践する仏教者である。

 次に、「三秘」です。聖人は、この一大秘法を行法として「本門の本尊」・「本門の題目」・「本門の戒壇」と開示されました。末法の衆生は、この三大秘法を行ずることによって、仏の証悟に安住する。日蓮聖人の教えは(教相判釈すなわち教えの判断基準)は五網・三秘だといわれています。

 このような教えに基づき、聖人の取られた伝道方法が大きく分けて三つあります。

一、「諫曉」

 日蓮宗の諫曉は立正安国論の献上に由来しており、聖人滅後も引き続き身延・中山・富士方らの諸師によって、公家武家の国政統治者に向かって行われた。諫曉のための方法は申状と呼ぶ文書を適当な人を介して提出するか、将軍などに直訴するかがあり、後者の場合は決死の覚悟を必要とした。この時代に、このような直訴に近い諫曉は非常に危険な行動であり、聖人の弘経の覚悟が表れています。

二、「摂受と折伏」

 摂受は「心を寛大にして、他人を受け入れること。衆生を慈悲の手におさめ受けて育て譲ること」そして正法に導き入れることである。

 折伏は邪見・邪法に執するものに対して、これをくだき、正法に導き入れることである。

 どちらも、お題目に縁のない相手にとって「南無妙法蓮華経」を理解し唱えていただくというのが目的であり、摂受も折伏も「衆生教化の方法」です。

 本宗では宗旨に関することを教化する場合において、本門の本尊・本門の題目・本門の戒壇の教えを広めるときです。したがって、仏の種即ち本門の題目を下種する場合は、折伏になるのです。それでは摂受という方法はいつ用いるのかということです。宗旨以外のことに関して、聖人は「末法に摂受折伏あるべし。所謂悪国・破法の両国あるべきゆへなり」と述べられ、また「法華経は一法なれども機にしたがい、時によりてその行によりて万差なるべし」とされています。つまり五網を鑑みて、ある時は摂受を用い、ある時は折伏を用いるのです。

 「摂受と折伏は時に応じべし」

三、聖人の文書と手紙

 聖人は、立正安国論・開目抄等の文書の発表で法華経の教えを弘めていきました。また、大量の書簡を自筆して弟子や信徒達に発送しています。巧みな比喩で綴られる聖人の手紙は力強くてやさしく、喜びを分かち合い、悲しみをともにする。時に激しすぎる程のその言葉は、常に弟子や信徒達を励ましていました。そして、このような文書や手紙を用いて法華経を説いていきました。

日蓮聖人滅後の伝道

 聖人は六十一歳で生涯を終えられたが、臨終近きにありと知って六人の上足を定め滅後の法燈とされました。六老僧といわれる日昭・日朗・日興・日向・日頂・日持の各上人がこれである。

 六人は門下の長老として、聖人の遺言により身延久遠寺を輪番に守り、そして各々の流れに分立していき、本宗を布教していった。本弟子、孫弟子、その他の門下の者は死身弘法の意気に燃え、縁故をたどり、或いは単身で遊化し各方面に向かって猛烈な伝道(諫曉・折伏)が始められた。諫曉・折伏も推し進めれば当然社会的、国家的運動にまで展開するのですが、諫曉は最も効果的な方法であるから本宗にあっては、これを伝道の最高の手段とし、目的とした。

辻説法・問答法・道場開設・寺院建立の方法

 本宗の教えを弘める為には、天皇のおられる政治、文化の中心である京都への布教が必要であった。そのことに勲功があったのが日像上人である。日像上人の京都における展開は凄まじいものがあり、「三黜三赦の法難」を受けながらも京都の布教に尽力されました。京都においての各門流の「諫曉・折伏」も競って行われ、これにより日本の中心より全国に法華経が弘がっていきました。

 室町時代になると「檀林」が設立され、聖人の教えをもって、よく難儀に堪え忍んで正法を弘通する法器が養成されていった。

 この教育方針は、本宗の特色として今に伝えられているところである。

 本宗では関東の八檀林、京都の六檀林がある。檀林の発達に伴って起こったものに、寺院における仏書の出版事業がある。このことは近世初期の印刷文化に重大な意義を持っている。わが国の出版文化に輝かしい偉業を残しているのが本宗寺院の出版事業であり、京都の本国寺・要法寺・本能寺等である。

今日の伝道

 現代社会は既に七百九十余年前の日蓮聖人御在世の時と異なり、衣食住をはじめ文化百般は驚くべき発達を遂げ、社会の構造は極めて非宗教的性格を帯びるに至った時代である。かつての無智、盲味邪智諂曲の時代から、有智無信の時代に変わったといえる。従って、単に摂受のみでは時代社会の真の覚醒は望み得ない。やはり、三軌に安住した折伏に依らねばならない。それも徒に狂激な折伏ではなく、強く、常に真実なるものを示さんとする、顕正の折伏でなければならない。時には折伏に見え、時には摂受にも見えるものである。そしてそれは種脱同時に与え得る巨益を示す伝道となる。

 本宗の現代の使命が「世界立正平和」の実現であることは、既に明らかである。世界平和は、全人類の悲願であるばかりではなく、法華経の理想であるからである。この理想を実現する方法は、題目の広宣流布現代の菩薩道以外にはありえないはずです。

 合掌の心を、世界へ、未来へとつなぎ、身動きのできない近代社会の絆をときほぐし、真に自由で平和な法華経の世界を実現することが日蓮聖人の願いであり、教えでありそしてそれが、現代社会への伝道方法です。
   
   いのちに合掌
   南無妙法蓮華経 

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