仏教童話

仏教童話『サルの庭番』

日付:2016年9月10日

182-16.jpg むかし、バーラーナシーのみやこにはおうひろ庭園ていえんがあり、そのなかはやしにはサルのれがんでいました。庭園ていえんには番人ばんにんがいて、草花くさばな手入ていれをしていました。

 おりしもまちまつりのれがにぎわっていました。番人ばんにんは、まつりのときくらいまちあそびたいとおもうのでしたが、なえみずをやらなければなりません。番人ばんにんはそれをはやしんでいるサルたちにやらせようとかんがえました。

 そこで番人ばんにんは、みずやりをするときにはうたをうたったりわらったりして、いかにもたのしそうにまわりました。サルたちはそれを不思議ふしぎそうにていましたが、ついに我慢がまんできなくなって番人ばんにんたずねました。

 「番人ばんにんさん、あなたはどうしてそんなにたのしそうにしているのですか」

 「あっはっは。このみずやりだがね、これはやってみなければわからないよ。おもしろいのなんのって、苗木なえぎみずをやるのがこんなに愉快ゆかいだなんてね」

 番人ばんにんは、いかにも面白おもしろそうにわらいました。

 苗木なえぎみずくことがそんなに愉快ゆかいなのかサルたちはくびをかしげましたが、あまりに番人ばんにんたのしそうなので、自分じぶんたちもしてみたくなりました。

 「番人ばんにんさん、どうか私達わたしたちにもやらせてください」

 「いやいや、そりゃだめだ。これがおれたのしみなのだから」

 番人ばんにんはそうっておうとはしませんでした。するとサルたちはますますやりたくて仕方しかたがなくなりました。

 いよいよまつりのました。番人ばんにんみずをやるための道具どうぐってはやしかけました。するとサルたちが途中とちゅうかまえているのがえました。

 番人ばんにんはしめしめとおもいましたが、わざとらんかおをしてぎようとしました。するとサルのおうちかづいてきました。

 「番人ばんにんさん、どうかわたしたちにそのみずやりをさせてください。」

 サルのおうたのむと、ほかのサルたちも一斉いっせいにうなずきました。番人ばんにんはサルたちを見回みまわしてつまらなそうにこたえました。

 「仕方しかたがない。じゃあ今日きょうだけやらせてやろう。いいかい、おぼえておくんだよ。みずがきちんとむようにするんだ」

 サルたちはよろこんでうなずきました。番人ばんにん内心ないしんほくほくしながら、まつりのふえうかかれてしていきました。

 サルたちはみずんできて苗木なえぎつけてはみずをやりました。しかし、きちんとみずがしみているかどうかだけではわかりません。しばらくかんがえていたサルのおうがはっとづいていました。

 「そうだ、みずをやるまえ苗木なえぎいてみて、ふかさをたしかめるんだ。そうして、ふかいものにはみずをたくさんやり、あさいのにはみずすこしやるようにすればいい。」

 それをいたほかのサルたちは感心かんしんして一本一本いっぽんいっぽん全部ぜんぶ苗木なえぎいてはふかさをたしかめ、ふかさにおうじてみずをやりました。

 サルたちはみずやりをえました。しかし、何日なんにちつと、一度いちどかれた苗木なえぎ次々つぎつぎはじめ、番人ばんにんあわてても、もうどうすることもできませんでした。

(ジャータカ四六より)

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