授業情報

天台一泊結集と浄土念仏修行

日付:2016年11月10日

天台一泊結集と浄土念仏修行

 九月上旬には天台宗の教えを学ぶ一泊結集、また中旬には浄土念仏修行がそれぞれ開講されました。これまでの日蓮宗、臨済宗の修行とともに、体験を通じて日本仏教を感得することを目的としております。

天台一泊結集

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美しい行儀作法とは?

 九月三日(土)~四日(日)、千葉県大多喜町の東福寺(嶋根豪全住職)を教場に天台一泊結集が開講し、二十八名の塾生が参加しました。指導されるのは専門課程・天台宗コースを担当される松浦長明師及び久保明光師。また、塾卒業後も各師の弟子として修行を続けておられる諸先輩方にもお手伝い頂きました。

 初日は正午より本堂にて法楽が厳かに捧げられ開講となりました。まず、最初に松浦師より天台宗の教えについての講義。『法華経』など所依の経典の紹介があり、法華一乗、教観二門といった天台宗の特徴についてお話しがありました。

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護摩に願いを託す

 次に久保師による法儀実習が行われました。仏壇荘厳の解説に始まり、礼拝の仕方などの諸作法、更には食事・止観の作法を学びました。先輩方が実演するのを見てこれらの作法を学んだ上で夕座勤行に臨み、引き続き非食(夕食)を頂きました。食事は無言かつ極力無音、上位者から順番に食事を摂る等の厳格な作法に則って行われました。

 その後、近くの養老渓谷温泉にて束の間の入浴。そして寺に戻って最後のカリキュラムである「法座」。受講生は五グループに分かれ、先輩方を交えつつ、仏道精進への想いを語り、専門課程の選択や日頃の悩みなどを話し合いました。

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今後の仏道精進に向けて白熱の議論が・・

 二日目は四時三十分に覚心(起床)。五時には東福寺周辺の諸堂巡拝に向け出発しました。ところが、起点となる東光寺に到着した途端に土砂降りとなり、本堂前で「般若心経」一巻をお唱えして中止となりました。

 その後、東福寺に戻って朝座勤行、小食(朝食)と続いて、久保師の指導の下、「般若心経」の写経。

 続いて松浦師より天台宗の密教についての講義。円仁、円珍の入唐求法、胎蔵界と金剛界を「蘇悉地経」によって統一する三部の密教といった天台密教の特徴についてお話されました。最後に受講生は護摩札に願文を記しました。

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松浦・嶋根・久保先生を囲んで

 十時からは護摩堂に移動して結願護摩供。その頃には晴天となり、早朝の土砂降りがうそのよう。護摩供養は嶋根住職を導師に行われ、式衆以下参加者全員で太鼓の音にあわせて不動明王の慈救呪を一心に唱え、堂内は熱気に包まれました。

 その後、止観、中食(昼食)を以って全課程が終了し、閉講式が行なわれました。法楽に続き、松浦師よりねぎらいのお言葉を頂いた後に、塾生の御礼言上。午後一時半には解散となりました。

 気まぐれな天気に翻弄された今回の一泊結集。ご講師や諸先輩方は臨機応変に対応してくださり、盛りだくさんの講義内容となりました。受講生は僧修行の一端に触れ、その厳しさも実感したようでした。

浄土念仏修行

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厳粛に開講式(千葉光明寺本堂にて)

 九月十六日(金)から三日間、千葉光明寺において、入門課程最後の修行となる「浄土念仏修行」が開催されました。本修行は、第一、二回修行のいずれかを欠席した方の補講という位置づけでありながらも、法華(日蓮宗妙厳寺)、禅(臨済宗鹿野山研修所)に続いてお念仏(浄土宗)を体験してみたいという意欲に満ちた方も多く、連日二十五名前後の方が参加されました。

 初日午前は、板木の音を合図に本堂に集合して開講式、引き続き書院にてガイダンス。大熊学監から浄土宗ならびに浄土真宗の概略について説明がありました。十念の唱え方の指導の後、経本である『浄土日用勤行式』の一部(香偈、三宝礼、開経偈、一枚起請文ほか)を全員で読誦しました。午後は、専門課程浄土宗コースでご指導いただく予定の鍵和田師(第二十一期卒業)から、まず浄土宗勤行式の見本を、通しで聴かせていただきました。美しく張りのある声に、「さすが!」と感嘆しきりでした。

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鍵和田師による実践修行-三十礼拝

 その後、別時念仏と礼拝行の実践修行に入ります。最初の別時念仏は、木魚をたたきながらお念仏を一心に唱えるもの。初めは木魚をたたくリズムが合わず、音がバラバラでしたが、慣れるにつれあたかも一人が打っているかと錯覚するほどになりました。礼拝行は、独特な節回しで「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えつつ、五体投地を繰り返します。膝の屈伸、頭を畳につけての最高礼を三十礼拝行いましたが、お念仏を唱えながらの行に、息が上がったり足がフラツくなど苦労をしたようでした。いずれもお灯明の光のみの暗がりの中、仏名会さながらの雰囲気が醸し出され、厳粛かつ不思議な思いに満足感を感じたようです。

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大熊学監講話「南無阿弥陀仏とは」

 また三日間を通じての大熊学監の講話では、(一)「南無阿弥陀仏」とは、智慧といのちを象徴する存在である阿弥陀仏に帰依すること。念仏によって我々のいのちが阿弥陀仏の世界にあることを知ることができる、という意味をよく考え唱えて欲しい。(二)「本尊を明らかにする」では、仏教を学ぶ我々が何を拠り所にしたらよいのか。生死の問題で「苦」とは思い通りにならないこと。(三)「仏教の世界観」では、大乗仏教とは?、聖道門と浄土門の違い、念仏仏教の流れなど。特に聖道門の修行は、智慧を極めて生死を離れる、浄土門の修行は、愚痴に還りて極楽に生きる、など落語「松山鏡」を引用され興味深い説明がありました。(四)「念仏・万人の救われる道」、「自力と他力」では「七仏通誡偈」や元祖法然上人からの念仏仏教の展開、浄土宗は念仏為本、浄土真宗は信心為本など。また、自力、他力について「猿の子」、「猫の子」を例えにわかりやすい説明があり、ユーモア溢れる講話に引き込まれていました。

 この修行をもって入門課程の全課程が終了となります。法華、禅そして念仏と日本仏教を代表する各宗派の特徴を、おおまかながら把握することができたのではないでしょうか。「仏教の基礎を学ぶ」という仏教塾の目的が達成されたことと思います。

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