仏教童話

仏教童話『欲張りなめんどり』

日付:2017年10月10日

187-18.jpg とおむかしのこと、バーラーナシーのみやこちかくにおおきなもりがあり、とりたちはなに不自由ふじゆうなく平和へいわらしていました。

 なに不自由ふじゆうのないらしは、やがて退屈たいくつさをまねき、とりたちは、あたしい世界せかい、もっとおいしいものもとめてたびをしたいとしましました。とりおう仕方しかたなく、数千羽すうせんばとりたちをれ、旅立たびだってくことになりました。

 深々ふかぶかゆきをかぶったヒマラヤのちかくまでやってきたときとりたちは、しばらくのあいだはねやすめることにしました。とりたちはおもおもいに、ちかくのやまもりかわものさがしにかけました。

 れのなかに、一羽いちわ欲張よくばりなめんどりがいました。めんどりはただ一羽いちわ人間にんげんたちのまちほうかけていきました。まちなかをあちこちまわっていると、あるひろ道路どうろうえに、こめまめ果物くだものなどのごちそうがちているのをつけました。道路どうろではひっきりなしに、ぞううまうしにひかせた荷車にぐるまはしっており、ごちそうは、どうやらその荷車にぐるまとしているようでした。

 めんどりはかがやかせごちそうをついばみました。おなかがいっぱいになると、めんどりはかんがえました。 ―こんなにいいごちそうのありかを、仲間なかまらせてやることはない。自分じぶんだけの秘密ひみつにすることにしよう。しかし、もし気付きづかれたら、「この場所ばしょは、おそろしいぞううまにひかせたくるまはしっている。危険きけんだからあそこへは近寄ちかよらないほうがいい」とうことにしよう...

 夕方ゆうがた、あちこちまわっていたとりたちがかえってくると、みんなは今日きょう出来事できごとはないました。めずらしいものはじめて草花くさばな動物どうぶつなど、それぞれが自慢じまんげにはなしました。めんどりも自分じぶんばんまわってくると、あのごちそうのはなしをしないわけにはいきませんでしたが、はなしをしたあとに、「でも、あそこへくことは、自分じぶんいのちとしにくようなものだ」とくわえました。

 みんなも「そのとおりだ。いくらおいしいごちそうでも、いのちとしてしまってはどうしようもない」とめんどりの言葉ことばふかくうなずき、いい警告けいこくをしてくれたことへの尊敬そんけい気持きもちをめて、めんどりに警告者けいこくしゃ名前なまえけました。

 その翌日よくじつ、めんどりはれからはなれ、まち道路どうろかけてごちそうをついばんでいると、いきおいよくはしってきた荷車にぐるまに、あっというもなくひきころされてしまいました。まえのおいしいごちそうにまどわされ、まだ大丈夫だいじょうぶ、まだ大丈夫だいじょうぶおもっているうちに、あががる機会きかいうしなってしまったのでした。

 夕方ゆうがたとりおうむれれのかず調しらべてみると、どうしても一羽いちわりません。みんなで手分てわけをしてさがしていると、まち道路どうろ無残むざんんでいる一羽いちわとりつけました。おう近寄ちかよってみると、ゆうべ、仲間なかまから警告者けいこくしゃ名前なまえけられたばかりの、あのめんどりでした。

 おうはめんどりをちかくのもりはこぶと、手厚てあつほうむり、れにかっていました。

「めんどりは、ほかのとりにはきんじていながら、自分じぶんでそこへかけていってくるまにひきころされてしまった。めんどりは自分じぶんよくころされたのだ」

(ジャータカ一一五より)

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