授業情報

天台一泊結集と浄土念仏修行

日付:2017年12月10日

 九月上旬には天台宗の教えを学ぶ一泊結集、下旬には浄土念仏修行がそれぞれ開講されました。これまでの日蓮宗、臨済宗そして浄土真宗の修行とともに、各宗派の体験を通じて日本仏教の一端を感得することを目的としております。

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松浦・嶋根・久保先生を囲んで

天台一泊結集

 九月二日(土)~三日(日)、千葉県大多喜町の東福寺(嶋根豪全住職)において、天台一泊結集が開講し十七名の塾生が参加しました。指導は、専門課程天台宗コースを担当される松浦長明師ならびに久保明光師。また昨年卒業されたばかりの二十九期生を含む多くの先輩方が指導にあたられました。

 初日は正午より本堂にて「散華」など法楽が厳かに捧げられ開講となりました。そして最初に松浦師より天台宗の教えについての講義。中国天台大師智顗や日本天台宗最澄、「法華経」など所依の経典の紹介があり、法華一条の根本教義、教観二門といった天台宗の特徴について分かり易く話されました。講義の中で話された「仏教はええで!」の言葉が印象的でした。

 次に久保師による法儀実習。仏壇荘厳に始まり、実演を交えた礼 拝などの諸作法、更には先輩たちが製本された「斎食儀」に基づく食事作法そして止観の作法を学びました。その後写経作法に則り、塗香して心身を清浄にしたうえで「女院御願文」を読誦し、『般若心経』の写経に打ち込みました。さらに夕座勤行に臨んだ後、非食(夕食)を頂きました。食事は無言かつ極力無音、上位者から順番に摂る等の厳格な作法で、普段とは異なる作法に戸惑う中、何度か師から注意を受けました。

 入浴は近くの養老渓谷温泉。一日の疲れを取るのも束の間、早々に寺に戻って止観行。五体投地を行い、数息観に則りひたすら瞑想にふけるも、全員が励ましの禅杖を受けました。次に「法座」。塾生は五グループに分かれ、先輩方と仏道精進や専門課程の選択、日頃の悩みなどを自由に話し合い、有意義な時間を過ごしました。


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「なーまくさーまんだ・・」真言の声高らかに!
 二日目は四時三十分に覚心(起床)。冷気を感ずる爽やかな一日の始まりです。五時三十分東福寺周辺の諸堂巡拝に向け、まずは全員が車で移動。巡拝の起点となる東光寺の本堂前で『般若心経』を唱えた後、約五㎞の山道を「慈救呪」の真言を大声にし、朝陽に輝く早秋の稲田を眺め、途中トンネルで給水しながら無事全員が完歩。達成感を味わった瞬間でした。

 その後朝座勤行、小食(朝食)と続いて、護摩札に思い思いの願文を記しました。九時頃護摩堂に移動して結願護摩供。護摩供養は嶋根住職を導師に行われ、式衆以下参加者全員が太鼓の音に合わせ、不動明王の「慈救呪」を一心に唱えました。爈の中の乳木が激しく燃え火柱となり、煙が立ち込める中堂内は熱気に包まれました。

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激しく燃える炎に願いを託して-護摩供養
 そして松浦師による天台密教の講義。最澄、円仁、円珍の入唐求法、五大院安然による天台密教の完成、胎蔵界・金剛界を『蘇悉地経』により統一する三部の密教、曼荼羅の見方など簡潔にお話しされました。

 台風十五号の影響もなく、報恩感謝の心で無心に作務を務めた後、中食(昼食)をいただきました。全課程を修了し閉講式。法楽に続いて洞口事務局長挨拶、塾生代表・宮城好郎さんの御礼言上、そして松浦師より、今後の仏道精進を祈るとのお言葉を頂き、午後一時解散となりました。僧修行として貴重な体験をした充実の二日間でした。

 

浄土念仏修行

 九月二十二日(金)から三日間、千葉光明寺にて浄土念仏修行が開催されました。

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法然上人の教えとは-大熊学監
 本浄土念仏修行は、必修の方(これまでの二回の必修の修行を欠席した方が対象)のほかは、一日ごとの任意の参加が可能です。連日約十五名が参加され、お念仏(浄土宗)を体験すべく参加者の意欲の高さが伺われました。 

 初日の午前は、教場である書院に集合し大熊学監によるガイダンスがあり、「この三日間は、お念仏に親しんでいただくことを目的としている」「本修行の中心は浄土宗で使われている『浄土日用勤行式』を読むことや、別時念仏・礼拝行などを行うことである」などの説明がありました。引き続き、教本の『浄土日用勤行式』の説明や、お念仏「南無阿弥陀仏」を十遍唱える同唱十念の唱え方の指導を受けた後、教本のなかの香偈・三宝礼・四奉請・懺悔偈・開経偈・一枚起請文などを全員で読誦しました。声を出して、お経を読んで少し緊張が和らいだようです。

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浄土礼誦法を指導される鍵和田先生
 午後は、専門課程浄土宗コースでご指導予定の鍵和田師(第二十一期卒業)による、木魚をたたきながらのお念仏「別時念仏」と、「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えながら五体投地を続けていく「礼拝行」の三日間の修行です。教本の「博士はかせ」という節を表す印に注意しながら稽古を行いました。木魚のたたき方も、読経の発声の間に打つ「間打ち」という独特のタイミングで打つのですが、最初はできていても、段々と発声と同じタイミングでたたく「頭打ち」になってしまい、慣れるまで苦労したようですが、最終日には「良く揃っています」とお褒めの言葉をいただくまでに上達しました。礼拝行は、五体投地を繰り返しますが、参加者の年齢を考慮していただき、十から二十礼拝行いました。それでも両膝・両肘の屈折や頭を畳につける動作は体力を使うので少しきつかったようです。「能のうたい」で鍛えられた先生の美声に包まれながら、お灯明の光を頼りにお念仏もやむことなく続き、仏名会さながらの厳粛な雰囲気が醸し出され感極まる思いでした。

 三日間を通じて午前・午後と大熊学監による講話もあり、「南無阿弥陀仏の意味となぜ唱えるのか」「本尊を明らかにする」「浄土門の仏教」「自力と他力」をテーマにしたお話がありました。限りなき命と限りなき智慧をもつ本源の世界とは「悟りの世界」(阿弥陀)であり、私自身がその悟りを信じていこうというのが浄土宗や浄土真宗である。私という存在を顧みて(信機)、阿弥陀の本願を信じて(信心)、念仏しようとする心が起こった時に往生(浄土)が与えられる。「聖道門(禅など)と浄土門(念仏)」「難行道(自力の仏道)と易行道(他力の仏道)」のお話では、両者の比較から浄土の教えを解き明かされておりました。

 また、講話では、植木等さんや、一休禅師と蓮如上人、そして山岡鉄舟の「鳴海の浜」の興味深いエピソードなどを紹介され、南無阿弥陀仏の無限の慈悲を表している「摂取不捨」や、南無阿弥陀仏の本願力である「他力」についてユーモアを交えながら、浄土念仏の魅力や教えを分かりやすく教えていただきました。

 修行の合間には、光明寺の納骨堂である最新和風の納骨堂を見学。タッチパネルに会員カードをかざすと、遺骨が収納されている厨子が自動的に運ばれてくるハイテクな霊廟に興味深々でした。庫裡での昼食タイムには、これから進む宗旨専門課程についての情報交換の場となり、また意欲を引き出す 機会になったようです。

 三日間通しで参加された方は、「お念仏が耳に残って、電車に乗っていても南無阿弥陀仏が聞こえてくるようだ」と感想を述べていました。

 この修行をもって入門課程最後の修行は終了です。法華(日蓮宗妙厳寺)、禅(臨済宗鹿野山研修所)、そして天台宗(東福寺)、浄土真宗(新宿瑠璃光院)の体験修行を通じて、おおまかながら日本仏教を代表する各宗派の特徴を実践経験を通じて網羅的につかむことが出来たとともに、また「仏教の基礎を学ぶ」という仏教塾の目的が達成されたのではないでしょうか。あとは多くの方が自分の選択した宗派を、より深く学ぶことができる専門課程に進むこととなります。

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