授業情報

第2回修行

日付:2017年12月10日

鹿野山禅青少年研修所では臨済禅を
白蓮華堂では浄土真宗を体験


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教場となった鹿野山禅研修所
 五月二十七日には東京、本郷の東京大学仏教青年会にて、スクーリングが、二十八日には新宿・瑠璃光院白蓮華堂にて浄土真宗講座、そして六月九日および十六日から三日間、鹿野山禅研修所にて第二回修行が行われました。

 スクーリングには第三十期生および塾の会会員もあわせて約六十名の方が参加されました。

 まずは渡辺章吾先生による大乗仏教論。「大乗仏教の成立と菩薩運動」と題して部派分裂から大乗仏教の成立に至る過程や、その過程で成立した授記と誓願思想などについて講義されました。

 午後に入り、日本仏教史では蓑輪顕量先生が九~十五世紀の古典期仏教の特徴を僧侶の学問所に注目しつつ解説、修行法としての止観と日本仏教のつながりについてもお話しされました。

 続く仏教概論は、昨年同様佐野靖夫先生が担当され、信仰としての仏教と仏教学の違いをふまえつつ、十難無記、五戒、無慚・無愧、初転法輪などの主要教理について講義されました。

 最後は大洞龍明塾長による特別講義。「会昌の法難と敦煌莫高窟の奇跡」と題し、近代まで敦煌が廃仏毀釈の影響を受けずに済み、時代ごとの特質を有している旨のお話しがありました。

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3日目には仏母寺を散策
 翌日には新宿・瑠璃光院白蓮華堂にて浄土真宗講座が開講。午前中は町屋光明寺住職・大洞龍徳師より正信偈や念仏・和讃といった声明の紹介がなされ、受講生は実際に法話を体験。午後からは二十五期卒業生でもある東秋雄師、大洞塾長が講話を行い、写経の後、堂内の見学をおこなって解散となりました。

 第二回修行は千葉県富津市にある鹿野山禅研修所にて行われました。A組は六月九日、B組は十六日に始まり、それぞれ二十七名、二十名の方が参加されました。

 今回の修行では常禅寺ご住職・高野公義師が指導にあたり、塾卒業生である川口、添田(ともに二十二期)、横山(二十七期・B組のみ)の各氏が指導補助を担いました。また二日目には二十五期卒業の関戸氏が抹茶の接待のため鹿野山を来訪してくださいました。

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警策を持つ高野師が堂内を巡回

〈坐禅〉

 初日は教場に十二時半集合、ガイダンス・開講式の後、早速坐禅修行に入ります。禅堂・食堂・浴室は三黙堂として沈黙を守ることが求められ、道場内の移動は叉手当胸、本堂に入るときは合掌するなど様々な作法があります。

 坐禅は早朝、昼、晩の三回。後半には高野師が警策を持って廊下を歩き回り、肩をたたく音が堂内にひびきわたりますが、それ以外に聞こえるのは風の音と鳥のさえずりのみ。あたかも自然と一体化するかのような環境の下で気持ち良く行うことができました。

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受講生は給仕にあたふた
 

〈食事作法〉

 食事作法も禅修行らしさがうかがえるものでした。飯台看(給仕役)は何度もご飯、汁物の入った桶を運びますが、作法にのっとった給仕がスムーズに出来ず、指導員が時折サポートに入ったり、学監の怒号が飛び交ったりしました。

 食事をする方も音を立ててはならず、手を擦り合わせる動作で給仕の終了や量を表現するなど、洗練された食事作法を経験しました。

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禅修行を語る高野師
 

〈指導者法話〉

 初日の夜は高野師の御法話。「坐禅では様々な妄念が生じて集中できないかもしれないが、集中できる時間を長くするよう努めてください。息が長いのは心が安定している証拠。体が調うと心も整ってくる。」とお話しされました。

 禅道場での修行についてお話しされ、受講生の興味を引いておりました。臨済禅では独特な公案が修行僧に課されますが、修行の中で答えを見いだしていくようです。

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大熊学監の講義に耳を傾ける
 

〈学監講義〉

 授業を担当されたのは大熊学監。念仏との対比から禅仏教の特徴をお話されました。

 足を洗ったなべで粥を炊いた良寛の話、また麻浴山の宝徹をたずねた修行僧が、「風がいつでもあるのに、扇を使っているのは暑いという(自我にとらわれた)思いがあるのではないか。」と問いかけたところ、こだわりをもたず扇をただあおいでいた禅師が「君は風の本性はいつでもあることは知っていても、どこにでもあることを知らないようだね。」と答えた故事、そして「真実の自己を求める自己となにか」と問う修行僧・即公と法眼文益との問答などを引いて「縁起の理法を正しく見ようとしない妄縁起から解放されるための訓練が禅の修行である」と述べられた上で、禅は智慧を極めることに力点を置き、自己の愚かさに気がつくことに力点を置くのが念仏であるとお話しされました。

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内作務の様子(禅堂にて)
 午後には仏教儀礼の話に入り、授戒して在家信徒となる在家得度、僧侶になるための出家得度があることを述べた後、それぞれの得度を受けるための条件についての説明がありました。その際、葬儀の時に頂く戒名の歴史的経緯について言及されていました。

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茶話会の様子
 

〈茶話会他〉

 以上、第二回修行は、坐禅、食事作法、講義そして作務を中心に進められましたが、二日目夜には受講生、講師陣を囲んでの茶話会が開かれ、川口氏からは現在通っている正眼短大の紹介、添田氏からは鹿野山の接心、横山氏からは龍門寺における修行生活など僧俗両面からの多種多様な修行のあり方について紹介があり、塾卒業後の進路指針が示された上で、受講生からは公案や食事の仕方など禅の修行に関する質問や、専門課程、塾修了後の事についての質問が寄せられました。

 三日目には写経が行われました。写経を終えた方の中には禅研修所に隣接する仏母寺を見学される方もおりました。

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修行も終わり緊張がほぐれて食も進む
 終了式に際して高野師からは「いい顔で最期を迎えられるように今からの時間を有意義に生きてください。縁があれば継続して坐禅に取り組んで心穏やかに生きてほしい」との挨拶があり、大熊学監は青山俊薫尼の「曲がりつつ、まっすぐに歩みなさい」という言葉を引いて、「川が岩に妨げられて横道にそれても海にたどり着くように、目標があればそこにたどり着くことができる。自分の海は何かを考えてほしい」と締めくくられました。


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高野師・大熊学監を囲んでA組の皆さん

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高野師・大熊学監を囲んでB組の皆さん

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