卒業生は今!!

卒業生は今!! 一闡堤としての渡し守

日付:2018年4月10日

第十七期 玉井 宏道

 平成十七年八月、仏教塾修了生の仲間数名は曹洞宗の西有寺別院、真照院僧堂(伊豆大仁)にて受戒者一名の他数名は佐藤勝道本師の下で出家得度をした。当時は月に一度土日にかけての僧堂研修があった。この研修は本格的な出家者の僧堂での修行ではなかったがほぼ全員が仕事を持っての修行であった為、仕方のないことであった。

 この時私は五十九歳、塾は終了したものの仏教への勉学止みがたく駒沢短大の夜学に入った。当時私は隔勤のタクシードライバーで一日おきの仕事との間をぬっての勉学であった。仕事と重なる日はタクシーを近くの駐車場に入れ教室に向かった。授業が終わればまたタクシーで夜中じゅう走り回り必死に働いた。無理がたたり心筋梗塞で倒れたが何とか一命を取り留め蘇生することができた。

 その後、また真照院での作務や禅の修行に戻ったがそうした折、真照院ご住職のご遷化によりその後は伊那市の護法山常圓寺の徒弟になり金曜から日曜まで寺勤務、平日は仕事をこなしながら大学院に通い『原始仏教』とナーガルジュナ『中論』及び道元禅師の研究をしていた。無事大学院の仏教学を修了した。

190-16-2.jpg 平成二十六年四月にはいよいよ洞松寺専門僧堂(岡山)に上山掛塔し本格的修行三昧に入った。此処はヨーロッパ各国の僧堂で相当な修行を為してきた比丘比丘尼が多数いて聞いてみると各国各地の僧堂から派遣をされたり自らの発意で上山していた。彼ら西洋僧の坐禅は二柱を造作なくやってのけた。微動だにせずの筋金入りだ。比べて日本僧は寺の跡継ぎかであって師匠(親)に命じられての上山か、下山時期まで仕方なく耐えての苦しい坐禅に見えた。

 さて私は間もなく瑞世として両本山へ上山することになっていますが、巷に在って墨染めのままでもいいのではと思っている。少し前には苦悩の人たちに寄り添わんとしてメンタルケアアドバイザーの資格を取らせていただいた。また今は仏教僧として釈尊のお心に帰り生老病死や四苦八苦な方々の苦悩、ターミナル(終末期)な患者や悲嘆を抱える人々、或いは自死者・ホームレス・不登校等、その方ご自身の尊厳性の回復のための手助けになれないかと思い、苦悩の現場に立つべく死生学の勉強は元より、臨床仏教師の資格を得ようと勉学中です。生老病死や様々な生ける者の苦悩に寄り添い彼らが安心のうちにその人生を全うしてもらいたいと願い、自分は永劫に佛にならずの一闡堤で構わぬ。一介の僧として渡し守でよい。死者の供養も意味のあることだが、実存の方々の苦悩の解放(解脱)こそが釈尊のお示しの教えではなかったか。

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