授業情報

三十期専門課程修行感想文

日付:2018年8月10日

曹洞宗

『臨床教育』から『臨床仏教』へ
青木 孝一

 群馬公立中学国語教師を定年退職し、還暦得度運動に賛同し、第三十期生として、東京国際仏教塾に入塾しました。私のアクティブラーニング(国語教育の高度化)の実践です。教育現場を離れるとき、「日本仏教の源流」から、現代日本人の『心の在り方』を追求したいと思いました。昨年、春のことです。

 仏教入門課程の各修行場での体験は、貴重なものとなり、各宗派の宗義や作法の価値を深く認識しました。スクーリングの講義では、日本人の仏教感や歴史を学ぶことができました。お経や坐禅、作務等、実際の寺での修行は、僧侶への憧れを抱かせるものでした。

 宗旨専門課程の曹洞宗では、師僧である中野東禅師の講義と声明、坐禅等、道元禅師の生活禅をしっかりと学ばせていただきました。朝勤行の仕方は、修行を重ねる程、上手くなったと思います。応量器の事や食事の作法など、「修証義」とともに「典座教訓」・「赴粥飯法」を生活禅として習得できました。

 釈尊以来の瞑想法を生かしたマインドフルネスは、生活禅の中、「心の安定」方法として確立されています。『正法眼蔵』を読み、今日の教育現場と寺院での生活は、共に生活禅であることを実感しました。

 最近の臨床仏教の考え方は、死に直面した本人と家族の心情をケアすることにあります。医学的可能性があるならば、生き延びる方策を講じるべきでしょう。すでに死期が近づくとき、苦痛から救う道は、本人の意思を尊重し、本人の人生の価値を肯定し、最後までしっかりと見届ける家族や医師、僧侶の愛情だと思います。「ありがとう」の一言が、互いの心をいかに救うか。仏教を通して、その苦痛を取り除くことに力を尽くしたい。生きる価値は、死ぬ価値に等しいと、道元禅師は言っています。―生死を明らむること―

 定年退職を期に、今までの生活を見直し、臨床教育から臨床仏教へ、探究をすすめ、日本人の『心の在り方』を究めていきます。

 

浄土真宗 

生老病死から福祉を考える
宮城 好郎

 平成三十年三月四日に、専門課程浄土真宗専門課程が修了し、受講生全員が合格いたしました。昨年の十一月四日の開講時から半年にわたって講義と実技の両面で熱心にきめ細やかにご指導いただきました大熊信嗣師、吉崎行臣師をはじめ、講師の方々に親身にサポート・励ましていただき、本当に充実した期間でありました。さらに、初めてのことに戸惑いを感じながらも、仲間に励まされ、充実した課程であったことにつきましても、同期の皆様にも御礼申し上げます。

 月に一度、岩手から千葉に通いました。講習前日に現地に入り、二泊して最終日の夜に戻るという日程での参加でした。特に帰りは日曜のため指定席がとれず東京駅で三時間ほど待ったことも数回ありました。また、最終日の前日は急激に発達した低気圧の影響で強風のため新幹線は運転を見合わせたのですが、駅の新幹線ホームで二時間ほど待っていたせいか体調を崩してしまい最悪の状態でした。しかし何とか試験に臨むことができ安心しました。

 入塾の動機についてお話します。私は社会福祉関係の仕事をしています。今、わが国の地域において、日本の地域包括ケアシステム構築の必要性が声高に語られています。日本の地域包括ケアシステムでは、「継続的なケアの確保」、つまり、自宅や高齢者向け住宅等において医療・介護サービスが必要となった場合に、「継続的なケア」の体制を確保し、人生の最終段階まで地域に居住しつつ、尊厳のある生活を送ることが基本コンセプトの一つに含まれています。一方で、高齢者の死後に関しては、これ(社会福祉)らから切り離されるため、死後の主要な課題の一つであるお葬式やお墓など、死後の処遇に関する自己決定に関しては、地域包括ケアシステムでは関知していません。尊厳のある、自分らしい生き方の延長として死の迎え方や死後について考えたり、自己決定することは重要であるのではないか、という問題意識を持っていました。そこで、「生老病死」のことを仏教の観点から再考したいというのが入塾の動機でした。

 仏教塾での学びや修行は、私にとって難解で受講を後悔したこともありましたが、振り返ってみると非常に体系的な学びのシステムになっており、ぜひ受講を考えている方にお勧めしたいと思います。

 専門課程に進むに当たって、宗派の選択に迷いましたが浄土真宗を選んで本当に良かったと思います。『正信偈』『念仏和讃』は、ところどころ音程や調子が変わるところがあり、修得が大変困難(今もだめです)ですが、吉崎師が独自の楽譜を考案され私たちに惜しげもなく提供していただき、自習の際に本当に助けられました。また、大熊学監の教学を通して視野の広がりを感じることができ満足しています。すべての先生方のご指導に感謝いたします。本当にありがとうございました。

 今後とも、上述の問題意識を胸に、学習等を継続し更なる精進に励みたいと思います。

 

天台宗

自仏の重要性に気づく
原田 典隆

 仏教塾に入塾した当初は、禅や密教を勉強したいと思っていたのですが、入門課程で様々な教えに触れる機会を得たことから、仏教全般へ興味が拡大し、実家の宗旨が天台宗だったこともあり、専門課程では天台宗を選択しました。とはいえ、天台宗に関する知識はほとんどなく、作法も全く知らない状態でしたので、教義の概略と初歩的な作法を覚えられれば良いかとの気持ちでした。

 そのような中で始まった専門課程でしたが、講義の最初に松浦先生からカルチャー気分での受講を戒めるお話を受け、まさに自分のことかと冷や汗を流しながら修行が始まりました。

 専門課程では、天台宗の教義や宗祖伝教大師の生涯、行儀作法等の講義が行われました。中でもとまどったのは行儀作法でした。足の踏み方や合掌の仕方お辞儀の仕方など、禅の研修で「威儀即仏法」と云うことは教わっていましたが、なかなか覚えられず苦労しました。特に大変だったのが食事の作法で、音を立てず、きれいにかつ速やかに食べなければいけないというのは、かなり厳しく最も憂鬱な時間でした。

 教わった中で大きかったことは、自仏を持つことの重要性でした。私以外の皆は早々に自仏を決めて勤行を行っていたようですが、私はなかなか決めることが出来ず、漸く決めたのは一月の終わりになってからでした。さて、いざ自仏を決め、三具足をそろえてお勤めを始めてみると、これがなかなか気持ちが落ち着く感じがして、ふと思ったのが、信仰とはこういうことではないか、つまり、単に知識を得ただけでは何も変わらないであろう心の状態が、稚拙とはいえ壇をあつらえてお経を読むということで気持ちが変化する。思えば、先生方は一貫して仏教を信仰する者がどうあるべきかということを教えられていたのだと気付き、私も自分なりの信仰を求めていこうと決意した次第です。

 講師の先生方、先輩の皆様方、このような得難い機会を与えていただきましたことに感謝いたします。

 

日蓮宗

先祖供養とお題目
山田 智子

 子供の頃から宗教や霊的な世界に興味をもっていました。二十代で先祖供養や霊供養の必要ありと感ずるところがあって自分なりの供養を始めました。三十才の頃訪ねた日蓮宗の行者さんから、父方の先祖に供養する必要があることと千巻読誦をすると良いということを聞き、それ以来ずっと供養に取り組んできました。「南無妙法蓮華経」と唱える声や法華経・自我偈という言葉は子供の頃から日常よく聞いていても正直言って意味がよくわかりません。それに父方は宗旨が違うのでどの様にすべきかと考えた末、宗派に捉われない先祖供養を行っている宗教団体に入門してその教団のお経によって千巻読誦をすることにしました。現代語で書かれた長いお経を千回読むのに可成りの日数を要したのですが、霊に対するこちらの気持ちがよく通じて喜んでくれることを実感しました。

 その後も常に供養を行っていましたが、次第に仏教を学びたいという気持ちになりました。仕事を持つ私がどの様な方法で仏教を学べるのかと思案している折、偶然仏教塾と出合い入塾させて頂きました。

 専門課程は日蓮宗コースを選択して、たくさんの事を学ばせて頂きました。その中で肝心の「お題目」ということがあやふやであった私がようやくその真意を把握することができました。そして生死一如、生死即涅槃の妙法の世界に生かされている私達に、久遠の本仏の願うところは全ての成仏であり、お題目の功徳によって一切衆生は成仏できるということを確信しました。今後、先祖供養においてお題目をしっかり唱えていこうと心に誓いました。

 妙厳寺において野坂住職をはじめ皆様方に大変お世話になりました。有り難うございました。

 

真言宗

仏教塾での一年を振り返り
平野 勝

 茨城県鹿嶋市の静かな佇まいの地蔵院を教場とし、遠くは九州、関西から前泊で参加された方々を含む十四名の受講生と共に学んだ専門課程も三月十一日を以って修了しました。

 早くから真言宗に関心を寄せていましたが、家の宗旨が他宗で真言宗の寺院にご縁がなかったため、講伝や記念法要等に参加するようになっても理解できない事が多く歯痒い思いをしていました。  

 真言宗を基礎から学べる機会を求めていた私にとって、専門課程を前提とした仏教塾入塾でしたが、入門課程で日蓮宗、臨済宗、天台宗、浄土宗の修行体験をした事や課題のレポートをまとめる為に多くの本を読み込んだ事は、仏教というものを考え直す良い機会となりました。

 専門課程も同様で、少しは理解しているつもりでいましたが、それは極めて断片的な偏った知識でしかなかった事に気付きました。 この一年、五つのレポートを書く事により、これまで漠然としていた仏教の理解が、ほんの僅かではありますが整理できたように思います。

 最も望んでいた専門課程での経典読誦、声明、仏前作法等は、初めて経験する事ばかりで非常に難しく、特に声明はCDを何度聞いても記憶に定着せず、頭を悩ませるもので、今後も苦労すると思いますが、護摩や撥遣供養、お焚き上げ等の作法を間近で拝見できた事は貴重な経験であり、この五ヶ月間はとても充実したもので短く感じられました。

 仏教塾での学びの一年は終了しましたが、此処からを始まりとし、次の段階に繋げられる様、教えていただいた事や自分の在り方を振り返りながら、今後努めてまいります。

 修行期間を通じて、懇切丁寧なご指導をいただいた先生方、このような学ぶ機会を与えてくださった仏教塾関係者の皆様、そして雑談の折など、多くの情報や刺激をいただいた同期の皆様に心より感謝申し上げます。

 

臨済宗

開眼寺で修行を体験して
西木 達夫

 長野県千曲市開眼寺で平成二十九年十一月十八日から始まった第三十期の臨済宗専門課程は、平成三十年三月四日春の陽気を思わせるような暖かい日に終了いたしました。十一月から始まった開眼寺での専門課程は、坐禅と読経練習を中心に作務と食事の諸作法を学びました。やはり長野県ということで、気候が寒く、最初は、禅堂に入るときも頭がじんじんし、二月の雪の朝の坐禅は、ぶるぶる震えながらの坐禅でした。しかし、気候は、寒いけれど柴田住職をはじめ、仏教塾の先輩で面倒を見ていただいている松村先生が温かく迎え入れて、熱心に指導していただき、食事も美味しく、温かく修行を受けました。

 月に一度、日常から離れて、しずかな環境で静かな時間を持ち豊かな時間を過ごすことができました。

 修行については、私は、読経が苦手で、臨済宗は、抑揚をつけず、お経を読んでいくのですが、消災咒の経文に抑揚がついてしまい、直そうとするとよけいにおかしくなり、他の人までおかしくなるという始末でした。坐禅は、足が痛いということがありますが、静かな時間が持てて気分的には大変楽しかったです。

 食事は、私は日頃、食べるのは早いほうなのですが、皆さん、ペースが速く取り残されることがありました。そして、開眼寺の修行の様子が「信濃毎日」という地元の新聞社の取材を受け、第二の人生は僧侶でという記事が、坐禅や斎座の写真などとともに、大きく一面を使って紹介されるということもあり、貴重な想い出となりました。一緒に修行された方は、今後は、禅をまなぶ短大に行き、僧侶となるべく修行をされることが決まっています。私は、まだ、どういう道を歩むか決めていませんが、仏教のことを学ぶのは面白く、いろんな機会を使って学んでいこうと思っています。

 

浄土宗

法然上人の教えにふれて
安野 伸吾

 私は毎月、土、日曜日と東京都練馬区の「光明園」で専門課程を学ばせて頂きました。他の同期の方など秋田から来られるというので東京に住んでいる私は申し訳なく思いながら、無事全ての日程に参加することが出来ました。

 そして、なぜ私が浄土宗コースを選んだのか、その理由は、自分の家族、親戚、友人などにもわかりやすく親しみやすい「南無阿弥陀仏」とお唱えすれば極楽浄土に往生できるという教えと、他の宗派にもなるべくかけ離れない、ある意味お釈迦様の中道に通ずるのではないかと思い浄土宗を選択しました。

 浄土宗は「専修念仏」による往生を説く宗派です。「南無阿弥陀仏」を一心に唱えることによって、極楽浄土に往生できるという教えです。「浄土宗信徒日常勤行式」の「一枚起請文」では、「皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思ううちにこもり候うなり」、「ただ一向に念仏すべし」と記され、「南無阿弥陀仏」という念仏の重要性を現代に生きる私たちにも伝えています。この「一枚起請文」は浄土宗の宗祖(元祖)法然上人が臨終なさる二日前に書かれたもので、それ故に「御遺訓」と称されます。

 浄土宗を選択した塾生は、二人と人数は少なかったのですが、浄土宗の専門課程を修了された先輩方が多数参加してくださったこともあり、講師の先生方をはじめ、まさに法然上人のお言葉通り「皆決定して」密度の濃い授業を受けさせて頂きました。個人的には毎度、授業の終った後に食事会などもあり、本当に温かく熱心に接して頂けたので、ただただ感謝あるのみです。

 仏教塾で学んだことを日々の生活に活かし、今後とも精進していくつもりです。先生はじめ先輩・スタッフの方々、本当にありがとうございました。

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