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修了レポート 臨済宗 「臨済禅の教えについて述べよ」

日付:2018年8月10日

第30期 西木 達夫

 私は、臨済宗が、教義上読誦する決まった経典を持たない中、鹿野山禅青少年研修所の体験修行で初めて知り、京都建仁寺の坐禅の後や専門課程での開眼寺で多く読誦する白隠禅師「坐禅和讃」は、最初のはっきり意味も分からない中でも、なぜか読誦する時に心地よさを感じる好きな経文です。

 そして、現在の臨済宗は、過去の歴史を見れば、白隠禅師によって確立されたものであり、この「坐禅和讃」を読み解いていった時、坐禅だけでなく、臨済宗の教えが説かれていると考えます。

 そこで、いろいろ解説されたのを参考にして考えていきます。まず、
 衆生本来仏なり 水と氷の如くにて 水と離れて氷なく衆生の外に仏なし とあります。

 衆生本来仏なりは、すべてのものには、仏の命が宿っている。これは、大乗仏教の涅槃経によりきた考え方です。水がさとりであり、氷が煩悩である。さとりと煩悩は、個々別のものでなく、ひとつのものであり、氷が溶けると水、水が凍ると氷という分離できないものであります。

 衆生近きを知らずして、遠く求むるはかなさよ。たとえば水の中にいて、渇を叫ぶが如くなり、長者の家の子となりて、貧里に迷うに異ならず

 私は、なんとなく、フランスのメーテルリンクの童話「幸せの青い鳥」を思い出したのですが、法華経の長者窮子の喩が書かれています。

 六趣輪廻の因縁は、己が愚痴の闇路なり、闇路に闇路を踏みそえて、いつか生死を離るべき

 これは自分の迷いがその根本である。

 その迷いの道を歩いているけれど、いつかそこから離れるべきとあります。

 夫れ摩訶衍の禅定は、称嘆するに余りあり 布施や持戒の諸波羅蜜・念仏・懺悔・修行等、その品多き諸善行 皆この中に帰するなり

 大乗仏教でいう坐禅による禅定は、讃えても讃えきれないほどすばらしい。布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧そして、念仏、懺悔のいろいろなすばらしい修行があるが、みんな、すなわちこの坐禅というものに集約されます。

 私は、この項を一休宗純のことや念仏を唱えていることによる瞑想もあるので、臨済宗でも、念仏を唱えていたのかと勘違いしたのですが、坐禅がすべてであるという意味でした。ただ、白隠禅師は、念仏などを否定するものでなく、それよりまず、自分たちが行うことは坐禅であるという意味ととらえています。

 一座の功をなす人も、積みし無量の罪ほろぶ。悪趣いずくに有りぬべき 浄土即ち遠からず

 たとえ、ひとときの坐禅であったとしても、自己の仏性と出会うことができ、積み重ねてきた罪もほろぶ。こうなったとき、悪や善など無い。この世界が浄土となる。

 辱なくも、この法を一たび耳にふるる時、讃嘆随喜する人は、福を得ること限りなし

 ありがたいことに、この大乗の教えを耳にした時に、喜び称賛する人は、限りなく福を得ることができる。

 いわんや自ら回向して、直に自性を証すれば自性を即ち無性にて、すでに戯論を離れたり。因果一如の門ひらけ、無二無三の道直し

 坐禅を行い、外に向けられる意識を自分に向けて自分の本性が仏性に他ならないと自得するなら、すべては空であることに出会い、言葉によって表現しゆるものではないことがわかる。そうなると、修行そのものによって、ひとすじの道が、まっすぐに通じていく。

 無相の相を相として行くも帰るも余所ならず。無念の念を念として歌うも舞うも法の声

 形なきものを形とした時、どこにいてもそこに在り、何もとらわれない時、すべてがありのままで真理のまっただ中にいることになる。

 三昧無礙の空ひろく、四智円明の月さえん

 何にもとらわれないそのままにある広々とした空に、どこも欠けていないまあるい仏の四つの智慧が月のように冴えわたり輝いている。

 此の時何をか求むべき。寂滅現前する故に、当処即ち蓮華国、此の身即ち仏なり

 この智慧が満ちた状況で、何を求めることがあろうか、すべてが満たされ、すべてが平静となった現実となった今、ここがお釈迦様のいる浄土であり、自分自身が、仏性をもっていることにめざめている。

 ここで、臨済宗の教えは、衆生本来仏なり、直に自性を証すれば、此の身即ちほとけなりと、この三句にまとめられます。「命あるものは、気づかずにいるが、もともと仏になるべきものである。ゆえに自分の本性が仏性そのものであるとわが身に体験し目覚めることができたらそれが、さとりであり、人間として完成されたときである。」

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