授業情報

天台一泊結集と浄土念仏修行

日付:2019年2月10日

 九月初旬、天台宗の教えを学ぶ一泊結集、下旬には浄土念仏修行が、それぞれ開講されました。入塾早々からの日蓮宗・臨済宗の二泊三日の修行体験、そして浄土真宗の学びなど、各宗派の教え・声明体験を通じて、日本仏教の一端を感得することを目的としたものです。

195-12-1.jpg
松浦・嶋根・久保先生とともに

天台一泊結集

 九月一日(土)~二日(日)の一泊二日の天台宗の体験修行が、千葉県大喜多の東福寺(嶋根豪全住職)において、昨年より多い二十二名が参加して、次の日程(概要)に基づき行われました。

天台宗一泊結集 日程

195-12-2.jpgのサムネイル画像
  護摩供養-火柱に負けず「慈救呪」を唱える
  9月1日(土)
     開講式 法楽(散華)
     講義「天台宗の教え」
     諸作法実習・法儀実習
     夕座勤行
     非食
     入浴(養老温泉)
     法座(茶話会)
     放心(就寝)

  9月2日(日)
     覚心(起床)
     諸堂巡拝・朝座勤行
     小食
     作務
     講義「天台の密教」
     一泊結集結願護摩供
     中食
     後片づけ・閉講式

 指導される先生は、専門課程天台宗コースを担当される松浦長明師と久保明光師。また塾の諸先輩が後方支援に入り、きめ細かな指導体制を組んでくれました。

 天台宗は、今までに修行した日蓮宗や臨済宗とは違い、日程表は「結集」と表記されており、更に初めてのA・B班合同修行ということで、参加者もどことなく緊張していましたが、受付で迎えてくれた先輩方の穏やかな笑顔にほっとしたようです。

 入山後、身支度を整え、本堂に移動。開講にあたっての法楽が厳かに捧げられました。法楽中、通常ではあまり目にすることの出来ない「散華」が披露されました。

195-12-3.jpg
  未明の静寂を破る真言高らかに!
 一日目、松浦長明師は、天台宗の歴史、法華一乗の教えの根本教義や宗旨を、また二日目の「天台宗の密教」では、「胎金蘇三部」を以て構成された天台宗の密教「台密」について、分かり易く講義されました。そして「天台宗は禅も蜜教も念仏もある。仏教はええで!」と、緊張をほぐすようにざっくばらんに話されました。

 久保明光師は、厳しくも優しさ溢れる講義・行儀作法などを指導され、僧侶として、また女性として、とても魅力的と感じたようです。グループに分かれての法座の中で「旧漢字の【德】という文字は分解すると、右側の旁は十四に一心となっている。だから【德を積む】ということは、十四のことを一心に行うということ。ではその十四は何かというと、六波羅蜜+八正道で、十四である。」とのお話が、特に印象に残ったようです。

 二日目、午前四時半起床後、本堂前で『般若心経』を読誦。そして約五kmにわたる東福寺周辺の諸堂巡拝に向け出発。牧場の牛に迎えられながら山道を歩きつつ、全員が不動明王の「慈救呪」の真言を、早秋の山々に向け、静寂を突き破るかのように大声で唱えました。朝陽が輝き始めた午前七時頃、無事全員が本堂にゴール。完歩した達成感を味わった瞬間でした。

 東福寺の嶋根豪全住職は、サンスクリット語を自由に操る学者肌とのこと。二日目に行われた護摩供養では、導師として朗々かつ迫力あるお声でお経を誦され、それに引き込まれるように、式衆以下全員が太鼓の音に合わせ、不動明王の「慈救呪」を一心に唱えていました。護摩札に各自が思い思いに記した願文とともに結願護摩供。爐の中の乳木が激しく燃え上がる中、お経の声と和し、護摩堂は熱気に包まれました。

 最終日を迎え、報恩感謝の念を込め、無心に作務に努め、すべての課程を終え閉講式。法楽に続いて洞口事務局長挨拶。続いて塾生を代表して唐澤千明さんの御礼言上。そして松浦師より、今後の仏道精進を期待する旨のお言葉を頂き、午後一時半解散となりました。

 天台宗は仏教の総合大学といわれ、法華経はじめ各種経典の奥深さに触れるには、一泊の修行では少し物足りなく感じたようです。貴重な体験をした充実の二日間でしたが、今後の各自の学びに期待したいものです。
(記事協力 笹野典子)

浄土念仏修行

195-13-2.jpg
千葉光明寺本堂にて開講式
 九月二十一日(金)から三日間、千葉光明寺にて浄土念仏修行が開催されました。本念仏修行は、必修の方(これまでの二回の必須の修行を欠席した方が対象)のほかは、一日ごとの任意の参加が可能であり、浄土宗のお念仏を体験すべく連日約十二名が参加され、参加者の意欲の高さが感じられました。

 今年は生憎の雨のスタートでしたが、最初に本堂に参拝し「讃仏偈」を全員で読誦して開講式を行いました。その後、修行道場の書院にてガイダンスがあり、大熊学監から「この三日間は浄土念仏とは何かをよく学ぶように」「念仏ではしっかり声を出して、息を長く、長息(生き)するように」と修行の心構えや注意点など説明がありました。

195-13-3.jpg
「浄土礼誦法」に則り勤行を指導-鍵和田先生
 引き続き、教本の『浄土日用勤行式』の説明や、念仏「南無阿弥陀仏」を十遍唱える「同唱十念」の唱え方についての指導を受けた後、教本の中の香偈・三宝礼・四奉請・懺悔偈・開経偈・一枚起請文などを全員で読誦しました。午後は、専門課程浄土宗コースでご指導予定の鍵和田師(第二十期卒業)による、木魚を叩きながらの念仏「別時念仏」と、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら五体投地を続けていく「礼拝行」の修行に入りました。木魚の叩き方も、読経の発声の間に打つ「間打ち」という独特のタイミングで打つのですが、全員で一緒に打つときはできているようでも一人一人打っていくと緊張して、段々と発声と同じタイミングでたたく「頭打ち」になってしまい、慣れるまで大変苦労したようです。しかし最終日には「良く揃っています」とお褒めの言葉をいただくまでに上達しました。「礼拝行」は、五体投地を繰り返しますが、参加者の年齢を考慮していただき、五礼拝から始め、最終日には二十礼拝行いました。両膝・両肘の屈折や頭を畳につける動作は体力を使うので少しきつかったのですが、スクワットのようでもあり、心身の鍛練になったと感じたようです。念仏三昧では暗がりにして、お灯明の光をを頼りに、ただひたすらお念仏を唱え、仏名会の如く厳粛な雰囲気は、貴重な体験となりました。

195-14-1.jpg
法然上人の教えを語る大熊学監 
 無量寿(いのち)と無量光(慈悲)を表す「南無阿弥陀仏の意味となぜ唱えるのか」、真に依るべき所・事柄から「本尊を明らかにする」、戒定慧の三学では「仏教の世界観」、落語の松山鏡からは「浄土門の仏教」、さらに「万人が救われ万人に開かれている浄土門」、山岡鉄舟の冷や汗を例に引き「自力と他力」についてなど、三日間の午前 午後、大熊学監流のユーモアを交えた分かり易い講座がありました。

 二日目の昼は、最新和風式の光明寺納骨堂で、タッチパネルに会員カードをかざすと、ご遺骨が収納されている厨子が、自動的に運ばれてくるハイテクな霊廟を見学しました。

 昼食後の休憩時間には、課程外ではあるが、アコーディオンで全国奉仕活動に行脚している塾生・山田憲次さんの奉納演奏が行われました。彼のテーマソング桃太郎さん始め懐メロからワルツと幅広いレパートリーが演奏され多くの参拝者に癒やしの一時が提供されました。

195-14-2.jpg
  念仏三昧に木魚が響く
 修行終了後の反省会では、塾生のほとんどが参集して、専門課程に進む宗派や日頃のお勤め等々悩みや相談が相次ぎ大いに盛上がりました。
(記事協力 小川 明)

 この浄土念仏修行をもって、入門課程の修行がすべて終了となります。法華(日蓮宗妙厳寺)、禅(臨済宗鹿野山研修所)、そして浄土真宗(新宿瑠璃光院)、天台宗(東福寺)の体験修行を通じて、概略ながら日本仏教を代表する各宗派の特徴を実践経験を通じてつかむことができたのではないでしょうか。「仏教の基本を学ぶ」という仏教塾の目的が達成されたものと思われます。次のステップとして多くの方が自身の選択した宗派を、より深く学ぶことのできる専門課程に進級することとなります。

カテゴリー:授業情報

  • 平成31年度(第32期)塾生
    「塾生募集のお知らせ」へ
  • 卒業後、それぞれのあゆみ
  • カリキュラムのご紹介
  • 機関誌「仏教文化」
  • 東京国際仏教塾20年の歩み
  • 塾生統計等
  • プレスリリース

東京国際仏教塾

新宿事務所 〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-4-3
町屋事務所 〒116-0001
東京都荒川区町屋1-2-1-3F

TEL:03-3809-5930 FAX:03-3809-5935

ウェブからのお問い合わせ

このページの先頭へ