授業情報

三十一期専門課程修行感想文

日付:2019年8月10日

曹洞宗

「仏教と坐禅と瞑想」 冨山友紀子

 仏教塾入塾直前にヨガのインストラクターの資格を取りました。その際に学んだインド哲学の一部であるヨガスートラ。ヨガは単なる体操ではなく目的は瞑想であり、ヨガの最終目的地点は瞑想であると学びました。ヨガ=瞑想より仏教=瞑想ではないのだろうかと不思議な思いがしました。では仏教での瞑想とはどういうものなのだろうかという疑問がムクムクと湧き出てきました。以前から仏教には興味があり、若かりし頃「寺と生活」という出版社にいて日本全国のお寺で住職と奥様にお話しを聞いて回っていた事がありました。その頃は仏教への学びが浅く、お寺の内情を知るごとに腐敗した仏教界に直面して、仏教で人を救う事は難しいと見切りをつけたのですが、この歳になり再度、仏教を学び直してみようと入塾を決めました。

 結果、この入塾は成功であったと言えます。前期で学んだ仏教の歴史は宗派宗門を超えた仏教の本来の姿を知る事ができました。三宗派での修行体験は其々のご住職の生の声を聴けたことで、仏教界の現実を受け止め、再生努力をしている人がいるという事を伺い知る事ができたのです。

 後期の専門課程に入るにあたり、実家が浄土真宗であるため、禅宗にすべきか大変悩みましたが坐禅の心を知るという初心を貫き曹洞宗としました。

 専門課程の初日に中野先生に「在家から尼僧になるのは困難ではないか?」との質問をしました。「縁があれば繋がります」とお言葉を頂き、そのたった一言で心が晴れた気がしました。ヨガで瞑想をしても心は迷い続けていましたが、曹洞宗の普観坐禅儀の一文である道元円随「大元は静寂であり静寂であることが本質のすべてでありすべては静寂に戻るのだ」どんな物事も静寂に戻る、今の私の小さな迷いもすべては元に戻る。縁があれば自然とそこへつながるのだと理解しました。仏教の教えを知り、心静かに坐禅を組むことで瞑想が深まったことは間違いありせん。この仏教塾に入塾する事も縁であったのだと思い、日々沸き起こる心の迷いを静寂へ戻せるよう精進に努めていきたいと思っています。


浄土真宗

「中年世代を生きる」 山崎 洋平

 平成三十一年三月三日に、専門課程が修了し、受講生全員が合格いたしました。昨年の十一月三日の開講時から半年にわたって講義と実技の両面で熱心にきめ細やかにご指導いただきました大熊信嗣師、吉崎行臣師をはじめ、講師の方々に親身にサポートいただき、本当に充実した期間でありました。さらに、初めてのことで戸惑いを感じながらも、仲間に励まされたことも、同期の皆様にも御礼申し上げます。

 私自身、この半年間はできるだけ毎日、経を読む時間を作ることを心掛けました。正座をして手を合わせた後、腹の底から声を出すように努めていく。浄土真宗についての理解を進めている身ですが、阿弥陀如来の名に感謝して生活を送るこということ、それは、今の生活をより豊かにしていけると実感しています。

 東京国際仏教塾では、還暦得度を勧めています。還暦は六十歳を迎えたことを指しますが、もっと若い世代にも入塾を勧めたいと考えます。

 この文章を書いている私は、四十歳の半ばを迎えています。精神科医であるカール・グスタフ・ユング(一八七五―一九六一)は、太陽が昇ってから沈むまでを人間の一生として、四十歳代を「人生の正午」と捉えています。「人生の正午」とは青年↓中年にさしかかる頃であり、この時期を、ユングは「転換期」であると捉え、「危機の時期」でもあることを指摘しています。この青年↓中年の過渡期をうまく乗り越えられなかった人、つまりは「中年になること」をポジティブに受け入れられなかった人たちは得てして心身を病んでしまいます。実際、約八割の人が激しい混乱を経験すると言われています。

 「自分自身について」「これからの生き方ついて」考えを迫られる中年世代。東京国際仏教塾は、仏道を通じての道筋が用意されています。幅広い世代の方々が集まり、仏教塾が継続発展していくことを切に願っております。


天台宗

「法座での学び」 篠原 洋子

 天台宗専門課程は、講義、実践修行の両面からとても幅広いものでした。当初は、講義に出てくる言葉の読み方や意味を理解することだけで精一杯な状態だったり、食事作法を苦痛に感じたり、ただ形だけの勤行を生活の中に取り入れただけの私でしたが、今は、そのひとつひとつに歴史的、文化的な背景、仏教としての意味があること、仏さまに向き合う姿勢や所作、木鐘の音にまでもその人の心が現れることに気がつき、次第に日々の自分の心のあり方に目を向けるようになってきたと思います。

 そして、私にとって何よりの学びだった事は、講義と実践修行の合間に行われた法座です。日頃の実生活での出来事など、様々な事を語り合う時間には、知識だけでは得られない大きな学びがありました。当初は久保先生からいただくお言葉の中に、その人、その人に合わせた、仏教の教えが込められていたことに気がつけなかったのですが、最終回に近づくにつれ、少しずつ、その意味を実生活の事に当てはめて受け取れるようになってきた自分がいたように思います。そして、日々の生活の中での人との関わりが変化し、他者のありのままを今までよりも受容することができるようになってきていると感じています。

 その変化のもとにあったのは、「因縁」の理解と、目の前に起きる出来事をどう自分が受け止めるかということであろうと思っています。そして、その他には、年齢も性別も経歴も入塾の動機も違う塾生四人で過ごした時間が、私にとって新鮮でとても楽しいものでした。最終講義の長光寺(京都)では、大広間の布団の上で、語り、笑い、助け合いとまるで家族のような空間で、このご縁を心からありがたく思いました。

 振り返ると、久保先生がかかげられている修行精進目標の中のまさに「元気に!楽しく!真剣に!」その中で学ばせていただいたのだなあと思います。いただいた仏縁に感謝し、感じたこと、気がつけた事を自分の心にしみこませ、それを体現できる人になれるよう、引き続き「千葉会」で学ばせていただきたいと思っています。嶋根住職、松浦先生、久保先生、先輩方、そして同期の皆様に心より感謝いたします。 


日蓮宗

「『法華経』から学んだ私自身の在り方」 稲葉 千晶

 私が仏教について深く学びたいと考えるようになったのは、つい一年ほど前のことになります。何の知識もない私は何から学べば良いのか考え、入門書等を購入し自己流で学ぼうと試みたのですが、仏教のあまりの奥深さに、ただ驚愕し脱帽する日々が続き、途方に暮れていました。そこで自己流では無理があると考え、通信制の塾がないかと調べていた折、仏教塾の掲載記事を見つけ入塾を決めました。

 入塾後、実践的な修行、スクーリング、レポート提出など大変充実したカリキュラムとなっておりやり甲斐を感じました。その中で専門課程である宗旨を選択することに迷いがありましたが、私の父、母両方共に菩提寺が日蓮宗であったこともあり、その宗がどのような教義であるのか、大変関心がありました。日蓮宗旨では開講前日からお寺に入山し、翌日早朝より梵鐘、外作務、朝勤、体操、内作務、講座、実技作法、唱題行、夕刻の梵鐘、法華経の教学と十全とした内容の課程となっておりました。その凝縮された内容を円滑にこなすことができたのは、野坂ご住職を始めとする講師の方々のきめ細やかで懇切丁寧なご指導と、それをサポートしてくださった先輩方の支えがあったればこそ、濃密な学びの時間を得ることができました。古来より受け継がれてきたお寺の良き本来の姿がそこに在り、安堵感を覚えながらの修行となりました。

 日蓮宗のお題目である〝南無妙法蓮華経〟には、法華経による受持とその功徳、法門世界と娑婆世界との融合による、自己に存在する内在的妙法の経力や、日蓮上人の『立正安国論』から、末法に存在する私たちが社会的な役割として、どのような菩薩行をすべきか深く考える機会となりました。幼少より身近にあったお題目に、鬱々たる意味があることを知り、今後はただお題目を唱えるということではなく、深甚を以て唱題したいと思います。妙法によって全ての物質、生命が、この一念三千世界に存在し、その軌跡によって生かされている、そしてそのことに気付くことで、命の尊さを実感し今後の人生観に活かしていきたいと思っています。

 最後に、このような機会を与えてくださった諸先生方、先輩方、同期の方々に深く感謝申し上げます。


真言宗

「仏教塾入塾一年を振り返り~高野山大学院を目指して」 古賀 浩子

 私の仏教塾入塾は、五十歳になって、ミッドライフ・クライシス(中年の危機)を意識したことが背景にあります。仏教の優先順位とあてられる時間より、「いつかじゃなくて、はじめるなら今でしょう」「後戻りのないよう基礎からおさえよう」と考えました。

 前半の入門課程では、仏教を体系的に基礎から学び、色々な宗派のお寺での体験学習で宗派の違いへの理解と興味の方向性が定まりました。また、年齢・バックボーンの違う同期の皆さんとの学習・体験と交流により、仏教に向き合う動機や姿勢を振り返り、考えを深める機会となりました。

 後半の宗旨専門課程では、後期密教であるチベット仏教に親しんでいた私は、中期密教である真言宗を希望しました。先生とご住職からは真言宗の事相・教相両輪において真摯なご指導を賜り、お寺の皆さまに温かなご支援を頂戴し、同期の法友と励ましあった半年の学びでした。このようなご縁をいただけたことを心より感謝します。

 入塾からの一年はあっという間でした。入門課程で仏教の成り立ち・基礎を学んだうえで、専門課程で宗旨を本物のお寺とご僧侶の先生より教えていただいたことは、自分にとって正しい方向に進んでいるという自信と「もっと勉強したい」という意欲につながりました。春からは高野山大学院の科目履修をし、少しずつ勉強を続けていきます。

 仏陀は弟子たちに対して、「教えをただ鵜呑みにするのではなく、金細工職人がまず純金かどうかをよく調べるのと同じように、自らの知性を働かせて私の教えをよく吟味し、それが論理的な教えかどうかを確かめた上で受け入れるように」とアドバイスされたそうです。私も仏教塾でいただいたご縁を大事に、せっかくの有暇具足を無駄にしないよう、今後も求め、学び、一歩一歩精進してまいりたいと思います。


臨済宗

「仏教を礎に」 湯本 崇雄

 平成三十年十一月三日に始まった第三十一期臨済宗専門課程は平成三十一年三月三日終了しました。この間、柴田住職はじめ、終始懇切丁寧にご指導下さった松村看坊、各回ごと入替わりアドバイス下さった仏教塾の諸先輩の皆様に深く御礼申し上げます。

 修行を振り返って思い出すことといえば、まずは寒さとの闘いです。修行道場が長野県千曲市の山あいにある開眼寺でしたから、寒さは半端ではありませんでした。特に一月、二月の早朝坐禅の際は、肌が刺されるような寒さでした。そんな中でも、二月の修行時に十センチほど雪が積もった庭に、狸か何か小動物の足跡がポツポツと残っていた光景が印象的でした。二つ目は読経演習での苦闘です。素読みの時は何とかなっても、玉麟などの鳴物を併用すると、途端にリズムが狂いだします。教卓に教本を置くと、遠くて字が読めなくなります。声の調子が外れると悩む人やひらがなが読めないなんてと嘆く人もいました。けれどもみんなそれぞれに努力した結果、全員無事合格できました。やれやれ! 三つ目に思い出すのは毎回修行初日の夜に行われた雑談会です。個人的なこと、社会や世間のこと、仏教のこと、進路のこと、思いつくままの話題をネタに、毎回、真摯で、かつ楽しい時間を過ごせました。この時間のおかげでみんなの絆がグッと深まったと思います。

 さて、これからですが、私はまだしっかりした進路は決めていませんが、当課程に参加された七名のうち四名の方はすでに得度の準備をされていると聞いています。柴田住職は常々、「仏教は現代人にピッタリの宗教です。それだけに、二十一世紀は仏教が世界中で受入れられる時代になるはず」と仰っておられます。私たちはその言葉を胸に刻みながら、進路はいろいろ違うとしても、みんな仏教を礎に生きていくという覚悟だけは共有していると感じています。


浄土宗

「光明園での修行を終えて」 三澤 和雄

 昨年十一月から三月まで、延べ五回、十日間にわたって練馬区の「浄土宗光明園」で、浄土宗の専門コースを学んだ。宗教法人の光明園は昭和二十七年に開設され、一般の寺院と違い、檀家のいない大変ユニークな「お念仏と法話」の念仏道場で、静かで格好の研修場でした。

 仏教塾に入塾したのは、仏教に関しての基礎的な知識を体系的に習得したいと考えていたおりに、開眼寺で第三十期生の修行状況が地元の新聞に、一面で掲載され、仏教塾の存在を知ったことからである。

 入塾してみて感じたことは、仏教を体系的に講義する教授陣、及びスタッフが充実しており、仏教を学習する初心者にとって大変理解しやすかったこと。

 さらに、入門課程から専門課程に進むことで、それぞれ三つの課題テーマのレポート提出を求められており、講義を受けただけでは、レポートの作成は困難であった。そこで、参考書を学習する過程において、仏教の基礎的知識を体系的に学習できるようになっていたのが、大変よかったと思います。

 法式実習では、「浄土宗信徒日常勤行式」を節なしで唱えることを目標に学んだが、経と木魚(頭打ち、合間打ち)のリズムが合わず、声も小さくなりがちであった。

 講師の熱心なご指導によって、なんとか唱えられるようになってきました。

 浄土宗コースを選択した塾生は三人(新潟、千葉、長野各県)何れも、八十歳前後の高齢者で、専門コース受講者としては、恐らく最高齢のグループではなかったかと思います。

 講師の先生方よりも高齢の塾生、動作、記憶力とも鈍いが、講師の先生から、仏教の勉強は年齢ではなく、「日々努力する姿勢が大切ですよ」と、励まされ修行できて本当に良かったと思っております。また、親切、丁寧な、ご指導をしてくださり感謝申し上げます。  仏教塾での一年間、仏教の学習、修行の体験ができ、大変嬉しく思っております。塾関係者の皆様に感謝申し上げます。

 同期の皆様とは、貴重な交流をさせていただき、ありがとうございました。 

 今後は、「浄土宗信徒日常勤行式」を暗記しリズムよく、規則正しく唱えることが出来るように、日々、努力し精進したいと考えているところです。

カテゴリー:授業情報

  • 平成31年度(第32期)塾生
    「塾生募集のお知らせ」へ
  • 卒業後、それぞれのあゆみ
  • カリキュラムのご紹介
  • 機関誌「仏教文化」
  • 東京国際仏教塾20年の歩み
  • 塾生統計等
  • プレスリリース

東京国際仏教塾

新宿事務所 〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-4-3
町屋事務所 〒116-0001
東京都荒川区町屋1-2-1-3F

TEL:03-3809-5930 FAX:03-3809-5935

ウェブからのお問い合わせ

このページの先頭へ