初めての坐禅

第32期生 M.N.

研修所での一番奥にある禅堂、竹林に囲まれた薄暗い禅堂の中に入り、坐禅のやり方を教えていただいた後、初めての坐禅を行いました。腹式呼吸と姿勢を意識しながら行うが、頭の中では様々なことを考えてしまいました。思考を止めようとすると今度は眠気に襲われてしまいました。無心になることは非常に難しいのですが、静寂の中でただじっと坐っている時間は、嫌いではないと感じました。
二日目の早朝坐禅。前日の夜に呼吸を一から数え十まで数えたら、再び一から数えるという方法を聞き実践してみました。すると確かに初日とは違って、余計なことはほとんど考えずに坐ることができました。無心とまではいきませんが、澄んだ空気の中、聞こえてくる鳥の声や風の心地よさを感じ、とても穏やかな気持ちになりました。冷えていた足はぽかぽかと温かくなっており、確かに心と身体に良いと実感したのです。これからは自宅でも坐禅をする時間を作りたいと思いました。また、近くのお寺で坐禅会を催していれば是非参加したいと思います。
それから、食事の時の生飯。「三輪清浄」という言葉と意味を大熊学監から教えていただきましたが、大変感動しました。食べ物を分け与えてやっているのではなく、あげる人、食べる動物、食べ物そのものが清らかで対等であるべきという考え方が心に刺さりました。日常の生活や仕事の中で、「やってあげたのに」とか、「ものをあげたのに」などと傲った考えをすることで、結果的に苛々としてしまうことがありますが、このような精神で生活ができれば、心穏やかに日々過ごせると思いました。今後とも修行体験をすることで、仏教精神に触れ学んでいきたいと思います。合掌

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