「100日後に死ぬワニ」の話題に乗じて
世情の話題にの乗っかって、お話をひとつ。
Twitterで200万人以上のフォロアー(中には将棋棋士の加藤一二三さんやサッカー選手のアンドレス・イニエスタさんも!)を集め、死ぬ予定の日が近づくのとさらに人気が加速していった4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』。著者のきくちゆうきさんは「最初からワニは死ぬことが決まっていた」と書いていますが、この100日目に至っては、Twitterの住民たちは、事故に遭いそうになった他者(この場合はヒヨコ)を助けた自己犠牲の尊さを述べたり、分析したり…。なるほど、フォロワーはワニの死に方に目がいってしまったのか、と数多くのつぶやきを読みながら分析してしまいました。
もともとワニはヒヨコが好きだった。命をかけ助けてまでヒヨコを助けた尊い行動ではなく、いつもやっていた行動の一環。その結果が死ぬことにつながった。最後の最後までワニは、自分が死ぬとは思っていなかった。そこに命というもの、死というものの切なさと残酷さがあるように思います。
フォロアーの多くは、このワニに自分を投影していたのでしょう。落語『死神』のラストのように、人間の寿命は蝋燭の火のように見えるわけではありません。死はいつ訪れるか分からない、予測不可能性なもの。今日か、明日か、それとも10年後か。いつ死ぬかわからない無常なものです。お釈迦様は「生ある者は必ず死す」と説いています。著者が意図していたかどうかは確認する術がないのでわかりませんが、そんな意味合いを示していたのではないかと勝手に考えています。
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