出家する前の仏陀②

マハーラージャ(マハラジャ)の世界は、インド映画ファンならばご存知でしょう。かなり昔のことになりますが、インド・ジャイプールにあるマハラジャの妃(マハーラーニー)の元別邸を改造したホテルに宿泊したことがあります。一歩、足を踏み込んだ瞬間に絢爛豪華さに圧倒されます。しかもなんの手違いか、案内されたのはスイートルーム。メインルームには噴水!別部屋にはガラスタイルのドーム天井!部屋から見える庭には白クジャクが放たれ(鳴き声は容姿とは真逆のうるささですが…)、庭の芝生を歩くと、かつてフランスの名門バカラでオーダーしたといわれるガラスの噴水の欠片を拾うことができました。マハーラージャの世界観をまざまざと思い知らされました。
マハーラーニーですら、圧巻!というべきゴージャスな生活だったのです。種族の跡継ぎの王子として生まれた仏陀なら、こんなもんじゃなかったと容易に想像できます。
仏陀が物思いにふけていたら、父親のスッドーダナ王は、冬、夏、雨期用の3つの宮殿を建て、女性たちに音楽を奏でさせ、踊りを舞わせ、気持ちを盛り上げようとします。美しい妃をお嫁さんにして、必死になって、仏陀の気持ちをもり立てようとします。蓮池をたくさんつくり、青蓮、紅蓮、白蓮が植えられました。カーシー(ヴァーラーナシー)産の栴檀の香(白檀)のみをつけ、カーシー産のターバン、肌着、下着、上着を着用(多分、シルク)。昼も夜も、白い天蓋の下で暮らしていたそうです。
そういえば『聖☆おにいさん』のブッダが、「カーシーブランド」と書かれたTシャツを着ていましたね。  次号へ

#東京国際仏教塾 #仏陀の出自 #マハーラージャ

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