仏像をお勉強 菩薩

今回は菩薩を取り上げてみました。
菩薩は「人々を苦しみから救済して福徳を与えつつ、自身も悟りを求める」が定義です。
観音(観世音・観自在)、弥勒、普賢、文殊、虚空蔵、勢至、日光、月光などの菩薩方。上記の華やかな雰囲気とは一線を画す地蔵菩薩、馬頭観音菩薩もおられます。また千手、十一面、不空羂索、如意輪、准胝帝観音のような変化菩薩もおります。
その特徴を観音菩薩で紹介しますと、頭部は髪を結い上げた髻。額には白毫。首には3本筋の三道。上半身は裸形ながら、肩からは条帛、ショールみたいな柔らかな天衣をまとっています。下半身は裳。ベース部分はとてもシンプルです。
注目は飾り。いわばインドのマハーラージャのような装飾です。頭には宝冠。胸にはネックレス状の胸飾、二の腕には臂釧、手首にはブレスレットのような腕釧、下半身には瓔珞。足には足釧。イヤリングみたいな耳璫をつけている菩薩もいます。
格好は、立っているままの姿、坐っている姿、椅子に腰掛けている姿など。
しかし、なんといっても、王族らしい気品ある顔と柔らかなボディライン。指先にまで行き渡る色気!素敵過ぎます!
2008年7月に奈良・薬師寺を訪問中、境内がやたらと騒がしい場面に遭遇しました。好奇心いっぱいで歩いていると、クレーンのような機械を使って日光菩薩と月光菩薩が運び込まれ、聖観音は人力で厨子にセッティングしている最中!
「ちょっと傾いているぞ!」「下に何か、かますか?」「そりゃダメだろ」「最初からやり直しだよ」「…」(大勢のため息)。
思い返せば同年3〜6月に東京国立博物館で平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」が開催された後。期せずして、そして労することもなく、約70万人が観にでかけた後ろ姿どころか、斜めになったお姿まで、一部始終を拝見でき、最高にラッキーな薬師寺巡礼でした。
華やかな造形、一生懸命、努力しながらも美しさを失わない…、こんな容姿や心持ちでいたいと、好まれる要素をいっぱいお持ちの観音様。#STAY HOMEでなかったら、今すぐにでも会いに行きたい!
三浦鷹山仏師が制作した菩薩を4体、ご紹介します。
#東京国際仏教塾 #仏像を勉強 #菩薩

観音菩薩半跏像

観音菩薩立像

十一面観音菩薩

地蔵菩薩