仏像について 天部

大仏殿

COVID-19(新型インフルエンザ)の完全終息はもう少し、先になりそうですが、他府県への移動が許可され、旅心がふつふつと? 仏像シリーズも少し時間が空きましたが、今回は天部の魅力を紹介します。
天部はもともと古代インドで崇拝された神々が仏法守護を担う諸尊となったもの。ですから、とても多彩な表情と動きがあります。
たとえば、吉祥天や大黒天、学問や音楽を司る弁財天のように単独で信仰される福徳の神もあれば、四天王や、十二神将、十二天、八部衆などのように、グループで如来や菩薩の護法や守護する仏像もあります。梵天はお釈迦様とは修行時代からの長いお付き合い。天部諸尊の最高神です。お寺の門で「阿・吽」姿の仁王像も天部の仲間。外敵からの侵入者を守る夜叉神、ボディガードですね。八部衆の中で一番のハンサムボーイといわれる天部が、興福寺の阿修羅像でしょうか。眉間にしわを寄せたアンニュイな表情が「好き」という女性ファン多し!です(もともとは古代インドの邪神ですが…)。ちなみに、閻魔さまも天部のお仲間だと知っていましたか?
語り切れない天部の魅力。奈良に行ったら、奮発して移動にタクシーを使います。お会いする方が多すぎますから。
東大寺の戒壇堂四天王立像は、全員、甲冑に身を固め、足で邪鬼を踏み、東側は剣を持った持国天、南側は金剛杵を持った増長天、北側は宝塔を持った多聞天、西側は筆と巻物をもった広目天。奈良時代につくられた滑らかな塑像です。
初対面は中学校の修学旅行でした。その時は、そこまで感じていなかったのですが、再び奈良の旅を始めた時に「あぁ!理想の男性はこの方だった!」と涙したのが、こちらの広目天です。以来、数え切れないほど何度も会いに行きました。ある日、頭によぎった疑問が「地震が来たら、どうするの?」でした。戒壇堂にいらっしゃる職員の方に伺ったのです。嘘か真か「来場者の方々に協力していただき、人力で押さえるんですよ」との答え。広目天に抱きつけるのなら「ここで地震が起きないかな」とひんしゅくの発言をしてしまいました。こういうことを考える不届きな輩がいるのでしょう。保存修理及び耐震化工事により、2020年6月30日から約3年間、戒壇堂の拝観は停止。戒壇堂の四天王立像については、今年7月23日より東大寺ミュージアムで公開されるそうです。奈良・東大寺にいかれた際は、ぜひ、じっくりとご覧ください。
なお、東大寺様から大仏殿と戒壇堂の外観写真を借りることが出来ました。ご厚意に感謝いたします。

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戒壇堂の中に四天王が!