釈尊の 「四門出遊」

鎌田茂雄先生の講演をご紹介します。こちらは、東京国際仏教塾第12期開塾式の特別講演でお話しいただいた内容です。
これから仏教を学ぼうと思う方、仏教に興味がある方、みなさまの参考になります。

仏教はお釈迦様の教えです。
お釈迦様は王子としてお生まれになったわけですが、 成長なさってから、 東西南北それぞれの門から城壁の外へ出て、 それまでには見たことのない光景をご覧になりました。 最初は年をとって醜くなった人、 次は、 病に倒れて苦しむ人、 三番目は命絶えて横たわる人の姿です。 そうした人々の姿をご覧になってお釈迦様は深く考え込むようになりました。
最後に残ったもう一つの門を出ましたら、 そこに修行者がいたのです。
当時インドでは、 どんな人でも、 若いときでも修行をしたり、 あるいは年を取ってから修行をすることがあったのです。 修行者というのが森の中でよく修行をしている。 その修行者が町に出てきたのをご覧になって、 この世には、 老いて倒れる人もいる、 病で寝ている人もいる、 亡くなる方もいる、 その他にもう一人、 修行者もいると気がついたのです。 何か道を求めて修行をしている人もいるのだ、 と。
これが四門出遊といいまして、 四つの門から生・老・病・死と修行者を見た。 老・病・死の三つと修行者です。 あるいは生・老・病・死としてもそれはかまいません。 そういうお経もあります。
それでお釈迦様は大変にショックを受けられて、 人間、 王様の位をきわめても、 どんなにおいしいものを食べても、 貴族になっても、 財産があっても、 やはり老いということ、 病ということ、 死ぬということを逃がれることができないのだということを悟られたわけです。 そしていろんな仏典にこのことが書かれているわけであります。
-続く-

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