閻魔さま、コワい!

子供の時に(たわいない)嘘をつくと「閻魔さまに舌を抜かれるよ」といわれ、号泣した覚えはありませんか?「泣く子も黙る」閻魔さまの出身はインド。仏教に取り入れられて、日本には中国経由で平安時代末期に登場しました。鎌倉時代には庶民まで、地蔵信仰とともに閻魔さまへの信仰が浸透していったといわれています。「用ある時の地蔵顔、用なき時の閻魔顔」とは、よくいったものです。名前の由来は、サンスクリット語やパーリー語のヤマ(Yama)の音訳から、エンマになったとの説が有力です。
冥府の王、閻魔さまの法廷には生前の行為を映す鏡があり、これまでの人生が再現されるとのこと。つまりは「あちゃ〜」「あわあわ」というところが全部、見られてしまうそう(まだ、行ったことがないので、本当かどうかの確証はありません)。とはいえ、これまで拝見したことのある閻魔像のお姿はなかなかいかつい。特に眼光が鋭い! あの目の前に引っ張っていかれたら、言い逃れをする気持ちになれないと断言できます。
今回の写真は、597(宣化3)年に創建された甚目(じもく)寺内の十王堂で拝見した、室町時代につくられたといわれる閻魔大王です。堂名同様、ゴージャスにも十王そろい踏み。そこそこ、心にやましさを抱えている身としては、お堂に入るだけでも気が引けてなりません。これからの人生、閻魔さまににらまれることのないよう、健やかな心で過すと誓った一日でした。

鳳凰山 甚目寺
愛知県あま市甚目寺東門前24番地 ☎052-442-3076

甚目寺十王堂内

甚目寺の閻魔像