曹洞宗 在家得度式に臨んで

得度師の中野東禅先生を囲んで。在家得度式後「授与証」を手に記念撮影。

第32期 高橋純一

第32期曹洞宗コースの在家得度式は、九州の西を通り抜けた台風10号の影響で時折ザっと雨の降る2020(令和2)年9月7日、東京都港区の仏教伝道協会にて執り行われました。
今年は新型コロナウイルスに世界中が席巻される中、曹洞宗専門課程は最後まで修了できたものの、第32期全体の閉講式が中止となり、残念ながら他宗派の人たちと親交を深める場が流れてしまいました。今回の得度式も曹洞宗コース修了者10名全員が受式予定となっていましたが、そのうち遠方に住む3名はコロナ禍の中、欠席せざるを得なくなりました。
そのような中、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全員がマスク着用、手指のアルコール消毒、三密回避に努め、得度式が執り行われました。
得度師は中野東禅先生、侍者は第11期佐藤尋道師が勤められました。今回得度を受けたのは、第32期生7名・第29期生1名の計8名です。
普同三拝、『般若心経』読誦から始まり、得度式は厳粛な雰囲気の中、淡々と進みます。剃髪の儀、洒水の儀を経て、いよいよ戒名等の授与式です。新弟子は仏法僧に帰依することを誓い、導師からその証として戒名をいただきます。新弟子が緊張しながら合掌低頭するところに、導師より一人ひとりの首に搭袈裟偈の一節と戒名の書かれた絡子が掛けられます。また、戒名授与の証として、額入りの授与証が渡されます。新弟子は中野先生からいただいた戒名に感激の面持ちです。今回仏弟子となる者は、仏陀から86代目の仏弟子、東禅先生を介して87代目となります。その一字一字をかみしめ、日々仏弟子の自覚をもって精進したいと合掌し、最後に四弘誓願と略三宝を唱え、三拝して式は無事終了しました。
その後、館内の「菩提樹」にて懇親会です。新弟子たちは新たに授かった戒名について、中野先生にその意味を確認しながら、それぞれの思いと決意を表明し、また、各自の近況を語り合い、和やかな雰囲気の内に、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。
中野先生の博識そしてユーモア溢れるご講義、端然とした坐禅のお姿を胸に秘め、今後ともご縁が末永く続くことを全員が確信して、それぞれの精進を誓うとともに、再会を期し散会となりました。 合掌

「剃髪の儀」。仏弟子になる覚悟が湧き上がる。