真言宗 得度式を終えて
第32期 伊藤 翼
東京国際仏教塾真言宗コースの得度式は、厳しい暑さも和らぎはじめた2020(令和2)年10月4日、茨城県鹿嶋市の鹿嶋山地蔵院において、本公清御住職を戒師として執り行われ、3名(第32期生1名、過年度生1名)が受者として得度式に臨みました。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大という今までに経験したことのない状況に見舞われ、小修行(結縁灌頂、同行会、四国霊場巡拝、写経納経)の実施が満足に出来ないという異常事態の中、この日を迎えることになりました。
この日は、午前10時に「白衣」に着替えて本堂に集合。御住職の他、3名の先生方による習礼(予行練習)の実施。その後、受者3名が順番に「丁字湯」で身を清め、再び「白衣」に着替えて本堂前の廊下に整列。一気に厳かな空気になり、気持ちが引き締まりました。
午前11時、得度式開始。本堂前の廊下にて全員合掌して「露地之偈」を唱え、その後、准胝観音の真言を唱えながら入堂。三礼して開式となり、三帰、三竟、一人ずつ壇の前に進んで御住職より剃髪の儀のお言葉を受け、一度座を立ち、控えの間で、「右髪」、「左髪」、「周羅髪」の3か所を剃髪していただきました。次に「空衣」を着用して再入堂。受戒の後「如法衣」と「僧名」を授かり、再び座を立ち、「如法衣」を着用して再度本堂に入堂しました。その後、「般若心経」、「四智梵語」、「理趣経」等を唱えた後、戒師から祝いの言葉を頂き、最後に戒師をはじめ証明人の先生方に三礼し、無事閉式となりました。
当日の天気予報は曇りでしたが、朝方から弱い雨が降り続いていました。しかし、皆の心掛けがよかったせいか、得度式終了時には雨も上がり、本堂内や山門前で、根岸宏昭大住職・本公清御住職を囲んで笑顔の記念撮影となりました。その後、大住職のご家族が用意してくださった、心のこもったお赤飯等の祝い膳を美味しく戴きました。
昼食後、本山への度牒授与申請書の作成となり、根岸大住職より諸注意を受けながら記入して完成。受者一同、改めて仏門への入門となる得度の重みを実感いたしました。
これから先は、それぞれの目指す目標に応じて、それぞれの道を進むことになりますが、まさに、ここからが本当のはじまりであり、お大師様の末徒としての自覚を持ち、常に修行を怠ることなく、日々精進に努める覚悟を新たにしたところです。
この度は、得度式の準備の他、感染対策にも細心の注意を払い、得度式が執り行われました。大住職様、御住職様をはじめ、御指導くださった先生方、そして、食事や茶菓子のお世話をしてくださり、温かく見守ってくださった大住職様のご家族、また、東京国際仏教塾関係者の皆様方、このような機会を与えていただいたことに得度者一同、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。 合掌