年末年始は『歎異抄』!

年末年始の予定が立てづらい今年末から来年初めにかけて。こんなに所在ないスケジュールになろうとは、これまで考えたことがありませんでした。
なにをやろうかと今も思案中の人に提案をひとつ。『歎異抄』を読む年末年始です。
730年ほど前に著された、本文18箇条の書物でありながら、西田幾多郎、梅原猛、五木寛之など知識人のファンも多く、司馬遼太郎には「無人島に1冊だけ本をもっていくなら『歎異抄』だ」と言わせるほどです。
著者は諸説ありますが、今は、浄土真宗の開祖・親鸞聖人を直接知る唯円が書いたとされる説が有力です。
時代を超えても愛読される魅力はなんでしょう。
この問いにも、読み手にとってそれぞれ答えが違っているようです。「正しさ」を振り回さないで、気づきを誘発してくれるからだという人もいれば、同じ道を歩いているような、そんな錯覚を覚えるとか。また、執着心が薄れたという人もいます。この1年を振り返ったとき、第四条の「今生に、いかにいとほし不便とおもふとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲終始なし」という一節が心に届きました。
梅原は「魔力を持った本」とし、「永遠の恋人」と位置づけています。そしてあろうことか、自ら書いた解説を「忘れてほしい」と。原著を読んで、そこから自分自身の心に響く内容をピックアップしてほしいという気持ちが発した著述です。彼にそうまで言わせる『歎異抄』。時間がたっぷりあるなら、手に取ってはいかがでしょう。

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