東日本大震災復興支援の教訓

撮影/たかはしじゅんいち

今年も東北地方を襲った大震災、3月11日がきました。
この震災の日から間を空けず、亡くなられた方々の鎮魂に向け、関東(埼玉)では加藤巍山さん、関西(京都)では三浦耀山さん、ふたりの仏師が中心になり、〈縁〉仏像奉納プロジェクトが立ち上りました。法相宗本山薬師寺の執事(現・執事長)大谷徹奘師の仲立ちを得て、昨年3月には、岩手県大槌町の曹洞宗寺院・江岸寺(こうがんじ)へ総高170センチ、木曽ヒノキの寄せ木造り、白木を主にした釈迦如来像の本尊を奉納することが出来ました。この江岸寺は津波で本堂、庫裏、山門が流出。住職の父親、長男をはじめ、多くのお檀家さんが亡くなられた寺です。
奉納にいたるまで、大阪の截金師の鷲尾美陽子さんや京都の職人の方々、また東京、大阪、静岡、京都で鑿入れ法要が開かれ、1000人を超える方の協力がありました。
そして十三回忌となる来年2023(令和5)年3月に向け、現在、本尊の脇侍にあたる文殊・普賢の二菩薩を製作中です。
復興は、ひとりの力ではなく、それぞれがそれぞれの力を出し合い成すもの。持続し続けること。その大切さを、このプロジェクトから教えてもらえる気がします。
※東日本大震災で被災した東北地方の寺院は1078ヵ寺(全日本仏教調べ)。
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写真撮影/たかはしじゅんいち