浮かび上がる阿弥陀如来立像

鏡背、裏側にも阿弥陀如来立像が施されている

和鏡製作は「鋳造」「削り」「研ぎ」、すべての工程を手作業で地道に行います。現在ではガラスの鏡が大半になり、かつては10軒ほどあった鏡師の工房は、京都でも減少。今では山本合金製作所、ここ一軒になってしまいました。
この工房で製作している和鏡の中に、阿弥陀如来立像が浮かび上るものがあります。
鏡面を約1か月、硬さが異なる炭を使い、限界の約1㎜まで削り、そこに光を当てると放射光を放つ阿弥陀如来立像が浮かび上がる構造になっています。五代目にあたる山本晃久氏にこの鏡の製作の経緯を尋ねてみたところ、これを再興した無形文化財の祖父・山本鳳龍氏でさえ不明だそうです。浄土真宗の〝隠れ念仏〟〝隠し念仏〟から始まっているのではないかとの推測は出来るものの、残念ながら未だ決定打には至っていません。日本で唯一製作できるからこそ「ルーツが判明すれば」と山本氏。
同じようにつくられたイエス・キリストが十字架に貼り付けられた様子が浮かび上がる和鏡があります。こちらは2014(平成26)年、ローマ法王に献上されました。

山本合金製作所
京都市下京区壬生川通七条上ル夷馬場町6-6 TEL 075-351-1930

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阿弥陀如来立像がくっきりと