沖縄の「エイサーと仏教」④

東京国際仏教塾卒塾生の並木浩一さんによる書き下ろしエッセイを連載でお届けします。今回はその4回目です。

ハワイの盆踊り

沖縄のエイサーは盆踊りの性格はありますが、輪になって踊らず、行進するように「道じゅねー」を行うものです。ところが、同じエイサー曲を使って、内地のように輪になって踊る盆踊りを行う場所があります。それがどこかというと、なんとハワイなのです。ハワイの日系人コミュニティにとっては、盆踊りは夏の重要なイベントです。「ボン・ダンス」の名前で、夏場は毎週どこかしらの日系仏教寺院で開催されており、地元の新聞にはそのスケジュールが掲載されるのが通例です。最近はハワイ通の観光客や長期滞在の日本人の姿も、見かけることが多くなりました。
そうした仏教寺院のなかには、沖縄からの移民の心の拠り所、コミュニティの集会所的な要素を持ったところもあります。ハワイは、沖縄からの移民が多い土地なのです。ワイキキのあるオアフ島では「慈光園本願寺」が有名な、沖縄系盆踊りを実施する寺院です。マウイ島では「臨済禅」の名で呼ばれる、臨済宗妙心寺派ハワイ開教院も、沖縄系のボン・ダンスを開催します。いっぽうでハワイでは道じゅねーを行うことはありません。ボン・ダンスの日には境内に模擬店が並び、櫓を中心に輪になって踊るのは日本の光景とよく似ています。エイサーはハワイで形を変えながら、逆にお寺との関係がはっきりしているようです。  -つづく-

Profile:並木浩一(なみきこういち)
1961年横浜生まれ。桐蔭横浜大学教授。時計ジャーナリスト。ダイヤモンド社「ダイヤモンド・エグゼクティブ」「TVステーション」両誌編集長、編集委員を経て大同大学教授(メディア論・芸術論)、2012年より現職。編集者時代に東京国際仏教塾9期入塾、「仏教を学ぶと、生きるのが怖くなくなる」と実感し、専門課程を経て浄土真宗で得度。「沖縄のエイサーと念仏」についても研究中。
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写真提供/沖縄県名護市観光協会