仏教美術の企画展が根津美術館で開催中!

東京・根津美術館には6130件の収蔵物があります。その中の約1割にあたる約500件(2000年度末現在)が仏教美術です。7月3日まで、当美術館で収蔵する仏画を中心に、仏像、写経などが全36点、展示される「企画展 阿弥陀如来-浄土への憧れ-」が開かれています。

極楽往生へと導く〝阿弥陀さま〞は、特に平安末期から鎌倉時代に崇められました。極楽浄土はどんなところか?その浄土に向けて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える思いの強さが仏画に細やかに表現され、同時に細やかであればあるほど、人間の業の強さを感じずにはいられません。

また、日本では阿弥陀如来の来迎図は右側に目線をおろし、朝鮮・高麗時代の作は、その逆で左側を見下ろすように描かれています。日本は癒しを、高麗は雄々しさを表しています。この差を見比べても面白いと思います。

展示の中で、日本・南北朝時代の作の栃木・現聲寺蔵『山越阿弥陀図』(栃木県指定重要文化財)が気になりました。この仏画の阿弥陀如来は、印を結ぶ指の間に損傷が見られます。その理由は5色の糸を延ばして往生者と結んだためだとか。決して言わないはずなのですが「イテテっ」と阿弥陀如来が発しているのか? 浮かべられたアンニュイな表情に、そんな想像をしてしまいました。

根津美術館→https://www.nezu-muse.or.jp

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