すべての道は繋がって 浄土真宗

第33期 専門課程 K.T

最終日の講座を終えて帰路の電車に揺られながら、そのリズムに乗っかるようにして、胸の鼓動が一段、また一段と高揚していく。
私の人生の節目には、様々な宗派の僧侶の御縁と導きがあったことから、仏教を学びたいとか、漠然と僧侶になって人様に仏縁なるものを繋げてみたいと考えることがあった。また先祖を辿ると、浄土真宗の僧侶であった幾人かの記載があるので、ならば浄土真宗コースを進もうと決めたものの、実は当初は、果たしてこの選択が正しかったのかと、迷い揺れていたのだ。というのも七年前のこと。僧侶であったと聞いていた伯父の、戦時に錦洲からテニアン島へ渡る前日に書いた遺書が見つかったことで、私は寧ろ浄土真宗を憎んでいたのだから。そこには、最後の外出の時に戦友を連れて錦洲の東本願寺に参じたとあり、佛の弟子になって毎日毎日、念仏とともに暮らすことを喜んでいると書いてあった。それを読んだ私は、戦争を止めずにいた仏教、東本願寺とは何ぞやと憤り震え、伯父の佛心は全く理解できなかったのである。けれどもそれこそが、浄土真宗の教えを知らねばという使命感に掻き立てられたのも事実である。
しかし今の私は、親鸞聖人の生き様や教えを学べることに奮い立つのだ。帰路の鼓動は喜びであり、清々しい気持ちが満ちてくる。伯父の心もまた理解できると思えてくる。それは大洞御住職の講義にあった、『弥陀の誓願不思議に助けまいらせて往生をば遂ぐるなりと信じて念仏申さんと思いたつ心のおこるとき、すなわち摂取不捨の利益にあづけしめたまうなり』ではないだろうか。
最後に、懇切丁寧に御指導いただいた吉崎師や温かく見守ってくださった師の皆様に、鼓舞してくださり貴重な時間を共に過ごせた塾生の皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。大熊学監の初日講義より、『型を学べ』を糧に研鑽を積んでいきます。

新宿瑠璃光院 白蓮華堂で行われた授業風景

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