長岡の花火と五山の送り火

8月2日、3日に新潟の「長岡まつり」の花火が夜空を彩りました。百花繚乱と表現すればいいのでしょうか。打ち上がる花火の壮大さや進化に驚きながらも、美しさに圧倒され、見入ってしまいます。来客数は約30万人に近いとか。
この花火大会の歴史は天保11(1840)年まで遡る説もありますが、本格的に「大会」となったのは明治12(1879)年です。第二次世界大戦で中断。昭和20(1945)年8月1日、旧市街地の約8割が焼夷弾で廃土と化しました。1,488名の尊い命が失われたのです。その空襲からの復興を願い、翌年の昭和21(1947)年に復活します。

五山の送り火は8月16日の今晩、行われます。こちらは「大」「妙法」「船形」「大(左大文字)」「鳥居形」の5つです。平安時代とも、戦国時代の万灯会が由来ともされますが、具体的な起源を書した公式な記録はないとか。
20時になると「大」の字が静かに点火され、10分後に「妙法」、その後は5分おきに灯ります。(天候によって時間が前後する可能性があります)
第二次世界大戦時は中止されましたが、昭和18(1943)年8月、市民約800人が白シャツで「大」の字がある如意ケ嶽に登り、「白い大文字」を描いたエピソードがあるほど特別なものです。

鎮魂の祈りを込めた長岡の花火、精霊を冥土へおくるための五山の送り火。
スタイルは違えども、人が人へ。人が故人へ。思いを馳せる姿勢や心は、古も現在も変わりません。

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