山村留学に行かせて

第36期 Y.N.

修業体験の会場となった妙厳寺、その環境と野坂法行先生の人柄にすっかり惹かれた私は「この気持ちを我が子と共有したい!」という思いから、小学校5年男子の末っ子を(半ば強引に)夏の山寺留学に参加させてみました。親目線からの感想を記します。

本人がほとんど感想を聞かせてくれないので、彼が友人達にあれこれ話していたその内容を回収してまとめてみたところ、どうやら「おもしろくはなかった」ようです…。

そう、山寺留学は「遊び」ではなく、やはり「修行」でした。私達が参加した妙厳寺修行の、子供バージョンといったところか。作務、瞑想、お勤め、ご飯炊き…。自由時間は無し(※本人いわく)。どこからどうつついてみても、彼の口から「楽しかった」という言葉は出てきませんでした。残念!

かといって「つまらなかった」わけでも無さそうなのが興味深い。普段は野本家という無法地帯で暮らす彼にとって、山寺での集団生活は緊張感のある貴重な時間だったと思われます。人工物に囲まれない生活には慣れている子なので、妙厳寺の昔ながらの生活でも特に困った事は無く、あの自然豊かな環境はたいそう気に入った様子でした。

お行儀が良くなって帰ってきたか?といえば全くそんなことはないのですが、少なくともお寺での二泊三日間はみんなと一緒にキチンと作法を守り、決まりに沿った生活ができたわけです。良い良い。「普段はともかく、ああゆう生活ができるのも大切だよね」と聞くと、「うん」と頷いていました。

私は、また来年もぜひ行かせたい。行くかしら。行ってくれますように…。山寺留学はたった一度の体験ではなく、参加を重ねていくことでじわじわと大切なことが心身に刻まれていく、そんな類のものだと感じました。そして彼が大人になった頃、じっくりとその感想を聞かせてもらいたいものです。

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