浄土真宗専門課程を学んで

第36期 M.M. 

親鸞聖人の根本の教えである「他力本願」の思想を正しく理解したいと思い浄土真宗専門課程を選びました。肌寒い11月の早朝、千葉光明寺(千葉市)にある東京国際仏教塾千葉教場の門を叩きました。新しい環境に身を置く事に期待と不安の感情が交叉していました。しかし宗義を学んでいくうちに親鸞聖人の教えに惹かれていく自分がいました。
「どう生きるかより、なぜ生きるかの人生の目的がもっとも大事だ。弥陀の本願で救われていく」。この教えは時代を超えてのテーマである事に改めて気づされました。そして浄土真宗の教えをもっと知りたいと思う様になりました。 

講義が始まったばかりの頃はただ目の前の課題を一つずつこなしていく事に精一杯で、正直余裕など全くありませんでした。一番難しかったのは声明で、日々続けることこそが大切だと気づかされ、何度も何度も音源を聴きCDから流れる声明の声に合わせて練習をしました。特に三淘の念仏・和讃は音の取り方や拍の取り方、息継ぎの節回しが難しく悪戦苦闘の連続でしたが、繰り返し練習をするうち自然に耳にお経の音が残るようになってきました。あんなに苦手だったのに、今では犬の散歩中にもお経を口ずさんでいる自分がいます。読経をすることが少しずつ日常に溶け込んできています。 

これから次のステップへ進みますが、自分の中で一つずつ意味を考え深め、乗り越えていきたいと思っています。何より5ヶ月間、切磋琢磨し悩み励まし合いながら共に学んだ仲間の存在は大変心強いものでした。毎回、皆様のお人柄にも触れ、私にとっても仲間との絆はとても大切なものになっています。 

※2025(令和7)年4月10日発行 『佛教文化』第218号より抜粋したものです。

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