東京国際仏教塾 専門コース(後期専門課程)は(4)
第3回 臨済宗コース
臨済宗コースは、坐禅、読経、作務、食事作法を通して、身体ごと禅の世界に入っていく学びです。そこでは、仏教を言葉で理解すること以上に、姿勢を整え、呼吸を整え、場に身を置くことそのものが大切にされます。開講時から、臨済宗ならではの厳しさのある読経や、五観の偈を含む食事作法、坐禅の実践などが組まれ、参加者は寺院の空気の中で、日常とは異なる時間の流れに身を置きます。静かな緊張感の中で自分と向き合い、禅の入口に立つ。その体験こそが、このコースの第一歩です。
臨済宗コースの魅力は、「修行」とは特別なものではなく、日々のふるまいの一つひとつに宿るものだと実感できる点にあります。修了記事では、障子張りなどの作務、夜の坐禅、本堂での時間、講師との真剣なやりとりを通して、寒さや不自由ささえもありがたいご縁として受け止めていく姿が描かれていました。楽なことばかりではないからこそ、立ち居振る舞いが問われ、気づかされることがあります。整えられた空間の中で、余計なものをそぎ落とし、自分の在り方を見つめ直していく。臨済宗コースは、そのような濃密な時間を経験できる場です。
もちろん、このコースは「厳しい人だけのもの」ではありません。禅に関心はあるけれど何から始めればよいかわからない方、坐ることや働くことの意味を改めて確かめたい方、日常を見直すきっかけを求めている方にも、ひらかれた学びです。臨済宗の学びは、華やかな説明よりも、まずやってみること、身をもって味わうことを重んじます。だからこそ、体験の後に残る実感は深く、静かな確かさをもって心に残ります。禅を「知る」のではなく、少しでも「生きる」方向へ踏み出したい方にこそ、おすすめしたいコースです。

夜の坐禅(瑞泉寺禅堂にて)
遠くライトアップされた犬山城が開け放した
窓から見えます。

瑞泉寺本堂縁側での坐禅(1月)

瑞泉寺別院での作務(障子張り)

読経練習(町屋光明寺本堂にて)
掲載写真:臨済宗コース坐禅・説明風景 塾機関誌【佛教文化】221号より転写

