専門課程 曹洞宗

曹洞宗コース第1回研修は、2023年11月25日(土)、11月26日(日)に、東京都渋谷区新宿瑠璃光院にて開催されました。受講者は、第35期10名、第32期1名の計11名(男性8名、女性4名)です。関東圏5名、大阪府1名、兵庫県2名、愛知県3名の方が参集。当初は別の曹洞宗寺院での開催予定でしたが、諸般の事情により光明寺新宿瑠璃光院での開催となりました。貴重な機会をいただいたこと、僧侶になられた東京国際仏教塾卒塾生の方のご協力に深く感謝致します。

初日、「曹洞宗日課勤行聖典」がそれぞれに配られました。
手にとった瞬間、自分の信仰心が形となり手に乗ったようで、修行の第一歩を踏み出した喜びと励ましをいただいた気持ちにもなりました。その後、佐藤尋道師から朝課の流れについてご説明をいただき、朝課を行いました。朝課では、所作の指導を受けつつ読経を行いましたが、多くの経文は初めて読経するという方もいたのではないかと思います。曹洞宗ならではの節回しや読み方などに戸惑う方もいらっしゃるようでした。曹洞宗の読経の特徴は平らであること、また、その場にいる皆さんと声を合わせ、耳でよむ(人の声をよく聞く)こと、お腹に力を入れて声を出すことなどをご指導いただきました。「雨がぽとりぽとりと滴り落ちるようによむのが良い」という佐藤師からの説明が印象的でした。

午後は作務です。とてもきれいな瑠璃光院なのに、どこを作務するのだろうか?という思いもありましたが、作務自体が一心に行うべき修行であることを思い出しました。その後、一炷(40分間)の坐禅です。事前に、坐禅へ臨む姿勢として「調身(身を調えれば心も調う)、調息(吐く吸うの複式呼吸に集中すること)、調心(坐禅中は考えが出てきても深く考え込まない、追わないことに気をつける)」などをアドバイスとしていただきました。坐禅中は、遠くで警策をいただく音の波動が押し寄せ、気持ちが引き締まる思いを致しました。

2日目は、「曹洞宗日課勤行聖典」にある経文についての説明と朝課を行い、午後、中野東禅師から師の子供時代からこれまでの仏道修行についてのお話しをいただきました。「ただ経を読むだけの僧侶にはなりたくはない」「自分のためでなく人のために役立つ僧侶になりたい」という心持で仏道へ入られたことを聞き、私自身がどのような心持ちで仏道修行に励むべきなのかを真剣に考えるべきだとの境地に到りました。質問のお時間では、私は「宗教が社会に果たす役割は何か?」と尋ねたところ、中野師からは「自分自身がどう考えるかが大事である」との答え。「外に答えを求めるのではなく、最適な答えや進むべき道は自分でみつけ邁進せよ」ということではないかと自分なりに解釈しています。
2日間の最後に坐禅を行い、中野師から「道本円通」と「禅はのぼせた状態から静寂な状態になる」というお言葉をいただき、初回の曹洞宗修行は終了しました。

1回目の修行は、当初想定していた修行の内容ではありませんでした。しかし、想定していた修行だったとしたら、受けるばかりの修行になっていたかもしれません。決められた通りの内容とは異なるものであるからこそ、積極的な姿勢で臨むことでより多くのことを得られるのではないかと感じました。同安居の皆様、今後も張り切って参りましょう。

瑠璃光院内「空の間」での40分間の坐禅風景

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