専門課程 臨済宗
2023年11月11日(土)、12(日)、南アルプスの大自然の懐に抱かれた、山梨県韮崎市の城林山金剛院にて臨済宗コース専門課程が開講されました。
講師は、柴田文啓住職、そして、東京国際仏教塾を卒塾され、僧侶になられた23期生の松村文圓師、32期生の村田茂師です。
受講生は第35五期の3名(男性2名、女性1名)。
茶礼・ガイダンスでは、2日間のタイムスケジュールや講座の進め方、読経の試験の内容、レポート課題のテーマ等について詳細な説明がありました。
その後、受講生の自己紹介では、受講動機や将来の目標はそれぞれ異なりますが、来年3月の考査に向けて全員で協力して精進する覚悟を新たに。また、経本、並びに臨済宗や坐禅、お経に関する文献を貸与していただき、修業の期間中にしっかりと読んでおくようにとの指導がありました。読経の試験では、『般若心経』『消災呪』『本尊略回向』『白隠禅師座禅和讃』『四弘誓願』の五つが課題として提示され、『般若心経』については暗誦が求められるということです。
斎座(昼食)は、皆で協力しながら、素麺をゆがいて準備。入門課程の鹿野山禅研修所で学んだ生飯の作法、箸の置き方、香の物でのお椀の洗い方などを思い出しながら、無事に実践することができました。
休憩後、開眼寺の柴田住職の講話です。住職は、ロシア・ウクライナ戦争、パレスチナ・イスラエル戦争を取り上げ、21世紀は戦争のない平和な世界が訪れることを心から願っていたのに、非常に残念な状況であること。そして、このような社会情勢の中だからこそ、仏教の役割が益々大きくなっていくと話されました。
仏教は、自己中心的な欲望や執着を超え、無私の心と共感の精神を育み、他者への深い慈悲と思いやりを重視する。社会全体がこのような価値観にならねば戦争はこの世からなくなるだろう。そのような時代が来ることを心から願ってやまないと仰っていました。柴田住職の話を伺いながら、仏教者として世の人々が平和で幸せに暮らしていける社会を創造するために頑張っていく決意を新たにしました。
講話の後は、本堂で読経練習です。お経にはそれぞれ、異なるリズムや抑揚、速さがあり、最初は松村師について行くことが精一杯。自信のなさもあり、大きな声を出すことが難しい状況でした。常に講師の前面に対坐することは、ありがたい反面、気を緩めることができず、緊張感でいっぱい。
夜の座談会では、松村師、村田師より、受講生の様々な質問にお答えいただき、臨済宗の特徴や得度にいたるまでの安居会の修行の内容などについてご教示いただきました。
2日目は、底冷えのする早朝五時半より本堂にて座禅、その後、朝課という流れから、読経練習へ。木魚、大鐘、小鐘を使い実際に即した読経を行いました。
今回の課題を日々の生活の中でひとつずつ克服していくことになります。さらなる修行への意欲を高め、最後までやり抜く意志を強く持ち、各自帰路につきました。