尽未来際

仏教の勉強を始めてみると、ふとしたタイミングで仏教用語に出合うことがあります。
先日の大河ドラマ『晴天を衝け』でも、そんな瞬間がありました。
それは、徳川慶喜と側近の平岡円四郎のふたりが、穏やかな陽射しに包まれる縁側で日本の未来について会話するシーンで使われ、暗殺された円四郎の亡骸に向かい、慶喜が同じ言葉「尽未来際」と発し、その死を悲しんで慟哭するシーンでした。
尽未来際…未来の果てを尽くすまで、永遠の時間の果てまでずっと、いつまでも。〈尽末来迎〉という表現もあります。旧訳華厳経巻23に「能く一切の仏法を受け、智慧を以て教化せん、広大なることは法界の如く、究意すること虚空の如く、未来の際を尽くさん」とあります。(岩波仏教辞典より抜粋)
いつも聞く言葉ではありませんが、ドラマの象徴的なシーンに使われると鮮やかに印象づけられる役目を果たします。同時に、それが仏教用語だと知ると、改めて、仏教を勉強している気分になれます。
耳をすますと、意外に身近で仏教の言葉が使われているかもしれません。

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