湖面に咲く一輪の花

不思議な写真に出合いました。モノクロームの写真に、一輪の睡蓮の花とぼんやりと映る葉の組み合わせです。
撮影は、フォトグラファー・篠原宏明氏。東京国際仏教塾のトップ画面に登場する、僧侶が合掌する写真を撮影した方の作品です。この写真について話しを伺ったところ、花は睡蓮。しかしそれは「たまたま湖面に映っていた花。逆に、葉はリアル」だそう。つまり、静かな湖面に偶然、映った睡蓮の花を撮影した写真であって、見る側が勝手にリアルな花だと思っただけのこと。湖面が波打てば、葉はそのまま残っても、花は消えてしまいます。

人間は、これまでの経験をベースに、いろんなことを判断してしまいますが、その捉え方が正しいとは限りません。私たちが認識できるすべてのものは、そこにそのものがあるからではなく、私たちの心が求めるもの、または嫌うものを作り出しているにすぎないのかも。

そんなことをぼんやり考えながら、写真を拝見していると「これは?」「あれは?」と篠原氏に質問攻め。個展が開かれる静かなギャラリーは、先入観とのバトル会場になりました。

篠原宏明写真展「horizont」 9月4日まで開催中 
会場:サードディストリクトギャラリー (オープン時間:13時〜20時)
新宿区新宿3-8-9 新宿Qビル4階 TEL:03-5269-5230

#東京国際仏教塾 #仏教を学ぶ #仏教を知る #篠原宏明