曹洞宗得度式

第33期 H.N.

第33期曹洞宗コースの在家得度式は、厳しい暑さが続き台風の接近が懸念された令和4年9月3日~4日、京都宇治市の興聖寺法堂にて執り行われました。戒師は弊道紀老師が勤められました。今回得度を受けたのは曹洞宗専門課程コース修了者の第29期1名と第33期6名の計7名です。
得度式は殿鐘上殿し、続いて普同三拝を行い、戒師就椅され厳粛に進みます。新たに弟子となる七名は、仏陀から八十四代目の仏弟子弊老師を介して八十五代目に連なる身であると告げられました。啓請で釈迦牟尼仏、両祖(高祖道元禅師、太祖瑩山禅師)に礼賛を申上げ、証明を請いました。そして懺悔を唱え各自は悪業を清め、洒水灌頂をいただきます。そして三帰依、三聚浄戒、十重禁戒という釈迦牟尼仏がお示しになられた十六条の菩薩戒にたいし、戒師がその戒を一つ一つあげられ「保つやいなや?」の問いかけに、各自「よく保つ!」と気持ちの引き締まった合掌をしつつ心からお誓いいたしました。
血脈授与では戒師を経て、私たちにまで正しく伝わってきた戒法の証明書を、また戒名につきましては、自分の好きな言葉や座右の銘などを戒師に事前にお伝えし、それを参考に後日一人ひとりの特徴を踏まえた戒名を、由来と共に授けていただきました。そして緊張の中、戒師より輪袈裟を各自に掛けていただきました。最後は「般若心経」をあげ普同三拝をおこない、無事終了しました。
その時ふと気付くと、得度した私たちは宇治の蝉時雨に包まれており、仏弟子の自覚をもって一歩を踏み出し、日々の精進をおこなう思いを新たにしたところです。
その後、懇談会が戒師・弊道紀老師、堂長・吉川圓良老師を囲んで興聖寺内の応接室で行われました。京料理のお弁当に舌鼓を打ちながらの歓談です。ざっくばらんな話をさせていただき、そのなかの質問の一つが「禅と冥想、マインドフルネスはどの様に違うのか?」でした。ご回答は「哲学が違う。曹洞宗の禅は只管打坐、何も求めずただ座る。マインドフルネスは目的を持って、例えば日々の心配事を鎮めるため気持ちを集中するような精神状態を意識的に作ってゆく。」などです。これは研修中の雑談の中でも話題になったことでした。皆いろいろなアプローチで禅をやっているのだなと思いました。また、なかなか習熟しない結跏趺坐については「足が痛くても動かない。痺れたら痺れたままにしておく。どうにかしようと動くから、痛さが増すんだよ。」など、具体的な話題もあり大いに盛り上がりました。  
老師方の益々のご健康を願うとともに、今年度以降も長くご縁がつづき、この由緒ある興聖寺禅道場で専門課程が開催されることを念じ、そして再会を期し散会いたしました。合掌

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