得度式を終えて

第32期 M.N.

私は東京国際仏教塾第32期生として卒業いたしました。ちょうど世の中が未知のウイルス、新型コロナウイルスに翻弄され始めた頃が卒業の時期でした。卒業式もなく卒業証書を郵送でいただきました。世の中が行動自粛となり、静まりかえっていました。卒業後は現師僧にその後のご指導をいただけることとなりましたが、自粛の日々に私自身もこの先どのように仏教と向き合っていくべきなのかと自問自答した時間が続きました。専門課程を受講していた期間は教授いただいた内容の復習をはじめとした自習をする日々でしたが、卒業後の自粛期間はその術もなくなり空虚でした。しかし、自粛解除となった後は研修日には欠かさず上山し、寺の行事に関しましても可能な限り参加させていただいておりました。そのような時間の中二年目でお授戒をしていただき、今年に入り住職(現師僧)より本山での得度についてを問われ「はい」と申し上げ、卒業から三年目の今年八月に得度することとなりました。
1200年続く天台宗の教えは本当に多くの教理や真理の体得が必至であり、学ぶことは多岐にわたります。社会人を数十年経た頭にたたき込むことにも苦戦する現状が今なお進行形である未熟者ですが、得度式に向け髪を剃髪し、向かうべき道に迷いがないことを認識できたことは心の中に深く刻まれた瞬間でした。卒業から三年が経ち、ようやくスタートラインです。この先さらに学ぶべきことは山積みですがしっかりと修行を重ね、師僧のもと自分自身の仏教と向き合っていきたいと思います。合掌

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