心に留めたいこと

第31期 T.I.

私は現在、和菓子を主としたお店で販売業務に携わる仕事をさせて頂いております。そのうえで、月々様々なお客様と接し関わる機会がありますが、常に心掛けておきたいと思う事柄がありますので、今回はそのことについて書かせて頂きたいと思います。
東京国際仏教塾を卒業して数年が経ちますが、在学中の学びで最も印象深い菩薩さまに“常不軽菩薩”という菩薩さまがいらっしゃいます。常不軽菩薩は釈尊の前世の姿とされ、すべての衆生を尊び、人々は皆修行を経て仏陀と成る存在であると言い、人々から辱めを受け続けてもなおその行いを止めなかった尊い菩薩さまです。
人は様々な立場や環境によって、時に思いもかけず他人に対して罵詈雑言を吐き、強い態度で接してしまう時があります。私自身も無意識の内にそのような態度・言葉を他人に対して行っているかもしれません。日常生活では仕事上そのような事を受ける機会が多い職種でもありますので、常不軽の教えを心に常に持ち続けたいと願っています。人々が悩み苦しむ姿も、その人が乗り越えることのできる試練が与えられているのだとしたら、それもまた唯一無二の存在の証でもあり、最も尊ぶべき事柄でもあるのではないでしょうか。
そして苦の中にあっても人々が関わり繋がり合う事で、心に平穏を得て僅かでも希望を持つことができたなら、そこから今までと違った視点や思考を持つことで、世界観が大きく変化し苦が和らぐと考えていますが、“一隅の光”とはそのような意味も持ち合わせているのではないかと私は信じています。そして私自身にできる菩薩行を精進していきます。最後にご指導・ご鞭撻頂きました先生方、菩薩道を志す多くの方々、在学中の塾生の皆様、私を支えてくださっている様々な方々に、この機会を与えてくださったことに心から感謝申し上げ、すべての方々のご多幸を心より祈念申し上げます。ありがとうございました。合掌

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