本との出合いで知る「学び」

東京国際仏教塾のスクーリングで出合った本があります。中村 元先生が書かれた『ブッダの生涯』(岩波書店)です。

世の中に多くの仏教書がありますが、それまでは、初心者には難解過ぎて理解できなかったり、ピンとくる本に巡り合わなかったりと、ずっと迷走していました。もちろん、仏教学者であれば、どんな本もクリアできるでしょう。しかし、こちらは、仏教について知りたい!勉強したい! けれど難解すぎる哲学書、仏教書という壁の前で、オタオタ、オタオタしているだけです。

中村先生は1936(昭和11)年に東京帝国大学印度哲学梵文学科を卒業。43歳で東京帝国大学助教授に抜擢されます。この本の奥付を見て、驚いた記憶があります。1951(昭和26)年にアメリカ・スタンフォード大学に招聘され、客員教授となり、講義をなさっています。日本人が戦後まもなく!です。著書、論文にいたっては、英語、ドイツ語などの欧文を含め、1000点以上。『中村 元選集』(春秋社)は全23巻の構成。まだまだ、ここでは書ききれないほど、膨大な著書があります。
一方で初心者に対し、「わかりやすく」仏教を伝えることが必要かつ重要という姿勢をお持ちだったそう。その1冊が『ブッダの生涯』。さらに、中学生や高校生でもわかる仏教書を計画していらしたということです。
東京国際仏教塾を卒業してから何度も、この本を手にします。不思議なことに、数年前には気にならなかった文面に、ふっと視線が止まるのです。この先も、たびたびこの経験をすると思います。この繰り返しが本当の意味での「大人の学び」なのかもしれません。

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