第2回 第35期修行 鹿野山禅研究所感想文④

臨済宗・鹿野山禅青少年研修所における禅修行を体験して、受講生が感じたまま、見たままの様々な感想が寄せられました。その中から一部、ご紹介します。

臨済宗鹿野山禅研修所修行終えて  J.H.

臨済宗の修行は、禅の世界に興味があったため楽しみにしていたが、事前に作法がとても厳しいと聞いていたので、かなり緊張して臨んだ。

まずは歩き方、手をみぞおち辺りで右手を下に、左手を上に乗せ、親指を組み足早に歩く。立っている時も同様。最初は忘れがちになり、みな注意されていた。

次に食事の作法、音を立てず、食す。沢庵を食べるときでさえ注意された。和尚を見ていると流石、音が出ていない。周りでお箸や器を置く時や、物を落とすなど、大きな音がするとギロッと目を向けている。

禅の世界は『工夫』である、と教えてもらった。確かに、食事の時だけではなく、生活の中で音を立てないためにはどのようにしたら良いか、まねたり、考えたりするようになる。

そして、禅行。1日3回、時間にしてどの位だっただろうか。足を組み、私は目をつむり、ただ姿勢を気にしながら座っていた。風の音や草木の揺れる音、鳥のさえずりや虫が飛んでいる音、和尚の気配などなどを感じながら、ただただひたすら座る。私にとっては大変心地の良い時間だった。ただ一度、昼の禅行の際、眠気に襲われ左右前後に倒れそうになった。どうしようもなくなり、警策をお願いした。想像以上の痛みと初めての体験の喜びで、眠気は飛び、再び自然の音に集中し心穏やかに終了を迎えることが出来た。 

禅は私に合っていると思う。まだ慣れず足は痛いが、ただ無心になれる。普段の生活のことも考える必要がない、そのような時間は必要だと思った。今後もそのような時間を個人的に持ち、本来の目的とは違うかもしれないが、一時的に現実から離れることができる時間でもあった。

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