専門課程 浄土宗

浄土宗専門課程は、東京・練馬の閑静な住宅地の一角に居を構える、念仏道場・光明園にて行われました。道場の外観は落ち着いた一軒家の様です。寺院とは趣が異なるこの念仏道場に、受講者は驚きながらも新しい家屋の温かみを感じ、その落ち着いた雰囲気に我が家のような安心感を覚えたようです。

しかし、骨休めをする暇などありません。初日から学ぶべきことは教学に加えて声明、法式など様々あり、浄土宗の高僧、山崎弁栄聖者の描かれた三昧仏に温かく見守られながらも、参加者たちは、正座ひとつも四苦八苦。講師の鍵和田上人は、受講者に次々と勤行式を伝授していかれます。努力の甲斐もあり、初日のうちに勤行式をひと通り学び切ることが出来ました。
帰宅時に、光明園のマスコットである猫のポン子がお見送り。その癒やしと可愛げに満ちた風貌に見送られ、「2日目も頑張ろう」と、気持ちを新たに。

2日目は、佐藤上人による仏教講義から始まり、大乗仏教の特色を学びました。在家者であっても仏になることができると捉える大乗仏教の背景には、当時のインドの紛争間近の混沌とした状況があることを知りました。出家生活をおくることができない人々が多くなれば、在家のまま解脱に至る道を模索するのは至極当然なことでしょう。なるほど、今この座席に座り、仏法を聞いているこの瞬間に至るまで、仏教は様々な変遷を遂げながら伝わってきているのです。まるで、障害物にぶつかっても、形を変えて流れ続ける川の様に思えます。

小西上人による勤行式の講義に移っても、同じことを考える一幕がありました。初日に日常勤行を一通り学んだといえども、まだ漢文をそのまま読みなぞるだけであり、受講者たちは経文に込められた意味を理解しておりません。その頭の中の穴の空いた部分に、小西上人の解説によって意味内容が埋まっていきます。そうです、勤行であっても、仏陀の時代に行われた物事と、言語を始めとして同質のものはありません。修行の形態として変化を遂げる必要があったから、今日、勤行という形となって我々の前にあるのでしょう。

鍵和田上人のご指導のもと僧侶になるため、これからも勤行と信仰を生活の中で実践していくことを心に留め、受講者たちは帰宅の途につきました。

鍵和田上人の浄土宗講義風景

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