仏像好きから入塾、そして僧侶へ

第31期 E.K.

これまで何体の仏像に出合ったことでしょう。

最初に心を射ぬかれたのは、奈良・秋篠寺の伎芸天像でした。こちらの伎芸天は、ちょっと首を傾げたような立ち姿で「東洋のミューズ」と呼ばれています。柳生街道にある円成寺の大日如来像にも見惚れました。20歳代の運慶の傑作と言われ、若々しい表情を浮かべた如来像に出合った時は、しばらく動けませんでした。

関東の三大不動も制覇。千葉県の成田山 新勝寺、高幡不動尊 金剛寺、そして高山不動尊 常楽院と巡り、凛々しいお姿に圧倒されました。

しかし、ひとつ、致命的なことがありました。仏像は好きなものの、その原点というべき「仏教」のことをなにひとつ知らなかったのです。お釈迦様が仏教を起したという程度。そもそも日本に、いくつ宗派があり、魅了された仏像の数々が、どの宗派に属するかも知らないままでした。
ある日、仏教美術の深みに接するためには、その原点を知ってこそ!と思い至ったのです。

インターネット検索をしたら『東京国際仏教塾』を発見しました。

仏教学の第一線で活躍なさっている著名な先生方がスクーリングで教えてくれるらしい。修行体験もあるらしい。とはいえ、何にも知らない、ズブの素人で内容についていけるのだろうか。仏教に詳しい人ばかりだったら、どうしよう? 女性の入塾者は少ないかも知れない。しかも、レポートが3本ある…。

入塾はできたものの、そんな不安が次々に湧いてきました。

東京大学仏教青年会の開講式に伺ったところ、男性4対女性3の割り合い。少し安堵しました。
特別記念講演の竹村牧男先生のお話は、半分も理解できず。スクーリングの内容も、わかったつもりでいても、先生方の授業内容を大いに裏切るようなレポートしか提出できませんでした。しかし、ある先生から「オリジナルの発想力を感じました。その感覚を大切に」と所感をいただいた時、涙が出るほど感動しました。なぜなら、それまで、講義の中に出てくる単語の数々は、初めて聞くような状態だったのですから。

修行体験や補足授業などで、大熊信嗣学監や諸先輩方にアドバイスを受け、地味ながら宗派の違いもわかってきました。

気がつけば、僧侶の道を歩んでいます。

単なる仏像オタクが、今や僧侶とは! この事実に、自分自身でも驚いています。

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