サバって、なに?

第34期 Y.M.

2度目の修行体験で千葉県にある鹿野山禅青少年研修所に行った時のことです。ご指導くださる臨済宗・常禅寺の高野公義和尚が食事の際に「サバを取り分けて」とおっしゃいました。

サバ? 鯖のこと? メニューにはない。さすがに、フランス語のサヴァ(Ça va)じゃないよね?
なんのことをおっしゃっているの?とプチ・パニック。ぼう然とする様子を見かねたのか、高野和尚から「飯碗から取り分けた飯粒を、自分の食卓の前に置いてください」と説明がありました。

鹿野山から戻ってきても、サバが頭から離れません。

調べると、生飯の唐音「さんばん」から派生したものだそう。散飯、三把、三飯とも書くそうです。僧侶が食事の際に自らの飯碗から仏様へ一部を取り分け供えること。食事が出来ることへの感謝の意味と、仏教の世界にあるとされる六道の、飢えで苦しむ餓鬼、畜生へ少しでも分かち合えるようにするための布施行につながっているとわかりました。

修行体験で一番、なにが記憶に残っているのか?と問われた時に、「サバ」と答える人間は何人いるでしょう。仏教の修行に行ったはずなのに「Ça va?=元気?」を連想したことを、今でも笑ってしまいます。

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